2025.04.26 ニコ超会議 モノづくり企業が「本気」で魅力発信 若い世代へアピール

ベアリングが搭載された二重振り子キット「カオスメーカー」

カオスメーカーで揺れるLEDライトの光の跡を撮影できるカオスメーカーで揺れるLEDライトの光の跡を撮影できる

NSKのブースNSKのブース

 今年も“本気”で遊ぶ人気イベントがやってきた。千葉市美浜区の幕張メッセで26日から2日間の日程で開幕したインターネット文化の祭典「ニコニコ超会議2025」(ニコ超)だ。モノづくり企業も工夫を凝らした多彩な展示で存在感を発揮し、来場者の目をくぎ付けにした。

 ニコ超は動画配信サービス「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが主催する文化祭で、ライブやゲームなどの多彩なコンテンツが集結しリアルとネットが融合した体験を提供するという企画だ。

 そんな祭典で目を引いた展示エリアの1つが、日本精工(NSK)のブースだ。NSKは1916年に日本で初めて軸受け(ベアリング)を世に送り出した老舗で、3年連続でニコ超に出展した。

 今回もベアリングメーカーとしての技術力を生かしたコンテンツを披露。ベアリングが搭載された二重振り子キット「カオスメーカー」や、「超ベアリングフリースタイルバトル」「超ニコ四駆」と銘打つ企画に、来場者の熱い視線が集まっていた。

 見どころの1つが、先端に発光ダイオード(LED)ライトが付いたカオスメーカーだ。手持ちのカメラを「長時間露光」に設定してキットを撮影すると、LEDが放つ芸術的な光の動きを写真に収めることができる。

 超ベアリングフリースタイルは、ベアリングを使うヨーヨーやコマなどを用いたパフォーマンスをトーナメント式で競い合う内容で、ベアリングの性能や魅力を引き出す出演者の手さばきに注目が集まった。

 超ニコ四駆も恒例の企画の一つ。今回は「魔改造」された車体を使用し、初の企業対抗戦を実施した。NSKと自動車大手のスズキ、高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)の3チームが参戦。

 各チームが培った経験を生かして車体を改造し、障害物が仕掛けられたコースで競い合った。技術開発に焦点を当てたNHKのエンターテインメント番組「魔改造の夜」に出演した「Sズキ」ことスズキ社員と意気投合し、この対抗戦の実現に至ったという。

 ブースを企画したコーポレート・コミュニケーション部の石沢香野子さんは「われわれも楽しんでいる。若い世代の、NSKの名前や製品の認知度も高まっている」と手応えを強調した。

 回を重ねるごとに進化するニコ超への展示は、自社に親近感を抱いてもらうきっかけになるとともに、社員のモチベーション向上にも着実に結びついているという。