2025.04.28 三菱電機、3月期連結は売上高・営業益が最高

 三菱電機の2025年3月期連結決算は、社会システムや電力などのインフラ分野と空調・家電などのライフ分野が伸びるとともに、通信用デバイスなどセミコンダクターが改善し、売上高は前期比5.0%増、営業利益は同19.3%増となり、売上高、営業利益とも過去最高を更新した。

 売上高、利益とも為替の影響を除いても増収増益となり、最終利益も過去最高を更新した。事業別には社会、電力、防衛・宇宙関連が増収増益と好調に推移したほか、国内外で需要が回復したビルシステムと、アジアや北米、日本の空調機器が好調だった空調・家電関連が増収増益となった。

 一方、苦戦が続いているFAシステム関連は、中国のスマートフォン、工作機械関連やAI(人工知能)関連の半導体の設備投資需要の増加はあったが、リチウムイオンバッテリーの需要減の影響を受け減収減益だった。同日会見した漆間啓社長CEOは「FAの規模減少と収益性の悪化があったため、低収益事業は抜本的に改善するとともに中国市場は成長軌道に乗せるため構造改革を図る」と述べた。

 今期連結業績は売り上げは前期比減の5兆4000億円を見込むが営業利益、最終利益は増益を目指し過去最高の更新を目指す。為替の影響が大きく減収を見込むとともに、米国関税の影響を約300億円織り込んだ。漆間社長は「全額価格転嫁で対応するが、流動的な状況でもあるため柔軟に対応していく」と見通しを示した。