2025.05.09 神戸製鋼所とパナソニック コネクト、自動車分野へアーク溶接新工法 溶接品質安定化と電着塗装性向上
協業してアーク溶接新工法の普及を目指す。神戸製鋼所の末永執行役員(左)とパナソニック コネクトの大塚執行役員
神戸製鋼所とパナソニック コネクトは7日、自動車・二輪車業界に向けて、溶接品質の安定化や電着塗装性の向上を実現するアーク溶接新工法・新溶接材料(専用ワイヤ)の販売を開始した。両社は今後、協力しながら自動車メーカーや自動車部品メーカーへの提案を強化していく(一部既報)。
近年、地球環境保全の観点から、自動車メーカーは燃費向上やCO₂排出削減を実現する解決策の一つとして車体の軽量化に取り組んでいる。鉄鋼メーカー各社はこれに応える形で高張力鋼板や亜鉛めっき鋼板を開発。自動車メーカーはこれら新鋼鈑の採用を増やしている。ただ、高張力鋼板は強度が高いもののプレス加工が難しく、加工精度の問題から板組みのバラツキ(板隙や狙い位置)が大きくなり、溶接工程での品質確保が課題だ。
また、2010年代から塗装を必要とする足回り部品などにおいて溶接後のビード(溶融金属部分)表面に残存する溶接スラグ(酸化物や不純物の固形物)による腐食問題が注目され、溶接スラグ対策の必要性が高まっている。両社は協業により、これら問題を解決する溶接新工法の普及を目指す。
AXEL-AWP4溶接
両社で開発した新し... (つづく)