2025.05.16 東芝、3月期連結は全セグメントで営業増益

 東芝の2025年3月期連結決算は、公共や送配電などの強化事業領域だけでなくHDD(ハードディスクドライブ)などの課題事業も改善し前期比6.9%増収となった。

 営業損益は増収に加え経営改革の効果も出て引き当て前後ともに全セグメントで大幅に増え、同約5倍に。最終損益も黒字化し、売り上げ、利益ともにメモリー事業を除いた事業ポートフォリオとなって以降で最高となった。

 事業別には、原子力が減収となったが、公共インフラ、送変電・配電、デジタルなどの注力事業領域が拡大するとともに、HDDや鉄道・産業システムなどの課題領域も売り上げを拡大した。

 営業損益は、限界利益率と固定費比率の改善などの経営改革が寄与。採算性を重視した改革を進めたビルソリューションも大きく改善し、大幅な増益となった。

 継続的なリスク精査を進め、一部の案件で554億円の引当金を計上したが、製品保証引当金の減少もあり引当金は前期比で半減し531億円改善した。最終損益はキオクシアの業績改善による持分法損益増で黒字転換した。

 池谷光司副社長は「中期経営計画・東芝再興計画の初年度は好調なスタートとなった。2年目は成長への仕込みのフェーズに移行し、さらなる収益拡大を実現する」などとコメントした。