2025.05.23 オープン規格もとにデータセンターを構築 台湾MiTAC、米AMDとの関係アピール 

黃社長。左にはAMD製チップ搭載のサーバー

エヌビディア製チップ対応のサーバーも展示し連携をアピール。ジェンスン・フアンCEOのサインもエヌビディア製チップ対応のサーバーも展示し連携をアピール。ジェンスン・フアンCEOのサインも

 台湾のICT企業MiTAC(マイタック)ホールディングスのサーバー部門を手掛けるマイタック・コンピューティング・テクノロジーは、データセンター向けサーバーに関するソリューションを提供している。台北市で開催中の「COMPUTEX(コンピュテックス)」では、パートナーである米半導体設計企業のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)との強固な関係もアピールした。

 同社は昨年保有していたサーバーブランドを「TYAN」をマイタックと統合させ、一貫したAIサーバー製品ラインを構築している。今回はブランド統合から初めてのコンピュテックスで、昨年よりもデータセンター向けサーバーの展示を強化した。

 統合により、OCP(オープン・コンピュート・プロジェクト)というデータセンター向けハードウエアの設計図や仕様に関するオープンな規格に合わせた戦略に方向転換した。黃承德社長はインタビューに応じ、「(OCPは)将来的には市場が拡大する」との見方を示した。

 サーバー関連のソリューションをワンストップで迅速に提供。サーバーラックからデータセンターの管理用ソフトウエアまで一気通貫で扱う。

 AMDとの強固な連携も同社の戦略的な特徴だ。サーバーメーカ―の多くは現在、高性能GPU(画像処理半導体)を手がける米エヌビディアとの連携を強調しており、コンピュテックスでもエヌビディア製チップ搭載製品を目立つ位置に展示している企業が多い。

 マイタックもエヌビディア製チップ採用のサーバーを手がけるが、AI処理などに適したAMD製アクセラレーター「Instinct」の搭載製品も積極的にアピールする。実際、メディア向けブースツアーではAMDの担当者が登壇する場面もあった。

 多大な計算資源を求めるAIの普及を背景にサーバーの発熱量が増す中、有効な発熱対策として注目を集める液体冷却方式に関しても、積極的に製品展開を進めているという。