2025.06.04 法人向けレッツノート、IT管理者にも配慮 パナソニック コネクト山本清高執行役員に聞く

レッツノートを手にインタビューに応える山本氏

 パナソニック コネクトは、モバイルパソコン「Let’s note(レッツノート)」の法人向けモデルとして、12.4型の「SC」を6月に、14.0型の「FC」を今秋に受注開始する。近年のモバイルワークの定着化が進む労働環境下で、持ち運びやすさや、セキュリティーの強化などでIT管理者の業務負荷の軽減も実現する。同社執行役員シニア・ヴァイス・プレジデントで、モバイルソリューションズ事業部マネージングダイレクターの山本清高氏に、今後の方針を聞いた。

◇  ◇

―2023年の「QR」発売から2年を経ての新製品です。FCは今年の秋に発売ですが、SCと同じタイミングでの発表となりました。

 山本氏 これまで春と冬に製品発表していて、近年はモデルごとに最新CPU(中央演算処理装置)を搭載するタイミングが異なっていた。今後は、モデル間で互換性を保つ形で、新たなCPUの搭載や、モデル刷新に合わせて一斉発表する方針だ。

 今回、1年半の開発期間を経て米インテルの次世代CPU「インテルコアウルトラプロセッサー(シリーズ2)」を新たに搭載し、同時発表した。コンシューマー向けも、法人向けと同様の構造のものを販売していく。

―モバイルソリューション事業の位置付けは。

 山本氏 子会社でサプライチェーンのプラットフォームを手掛ける米Blue Yonder(ブルーヨンダー)のソフトウエア事業に舵を切る方向だが、ベースにはモノづくりがある。グループ会社で機内エンターテインメントシステムなどを手掛けるパナソニック アビオニクスもそうだが、モノが売れるとサービスが付いてくるビジネスモデルを展開していく。

 レッツノートとタフブックでは、PC運用管理サービスが付帯する法人向けPCサブスクリプションサービス「スリムワークサポート」がサービスの一つとして選べる。単なるモノ売りではなく、長く製品を使ってもらうことを目指す。“強いモノ作り”に付くサービスの収入を伸ばしていく。

―19年10月から提供しているスリムワークサポートの強みは。

 山本氏 SIMタイプのレッツノートが紛失した場合でも、遠隔地からデータを消去できるといった安心感があり、需要も増えている。IT管理者にとって、互換性のある新製品は、同じ環境で同じ動作をするため、スリムワークサポートで異常を検知した時に対処しやすくなる。

 ウインドウズ10のサポートが終了するタイミングでデスクトップからモバイルノートへの切り替えを検討する顧客に対して、新製品には互換性があることをアピールする。

―今後の戦略は。

山本氏 野外など厳しい環境下でも使える頑丈さを備えたモバイルパソコン「タフブック」との混売も強みだ。米国や欧州での販売が多いが、日本国内での販売も強化したい。

 妥協しない製品を作ることが大事だ。昔からのファンの期待を裏切らなければ購入し続けてもらえると考えている。