2025.08.01 カシオ計算機の4~6月連結 主要事業伸び悩み減収減益

 カシオ計算機の2026年3月期第1四半期(25年4~6月)連結決算は、時計や教育、サウンド関連の主要事業が伸び悩み、売上高が前年同期比4.6%減の621億9100万円、営業利益が同17.6%減の37億3000万円、経常利益が同21.4%減の43億7700万円、最終利益が同39.8%減の37億2100万円となった。米関税影響などを一部で受けた。

 事業別には、時計事業が米国関税影響と為替の影響で利益率が低下した。北米と、インドやASEANなどが伸びたが中国が大きく落ち込んだほか、欧州や日本も苦戦した。ただ現地通貨ベースでは前年同期比3%増だった。EdTech(教育)事業は関数電卓を中心に堅調に推移。サウンド(楽器)は欧州の楽器店の倒産が多く苦戦した。

 通期業績予想は米関税影響を織り込み営業利益を30億円下方修正した。影響額は時計で約15億円、教育で約5億円、楽器で約10億円と見積もった。会見した執行役員の田村誠治経営統轄部長兼IR担当は「価格転嫁で対応する計画だが需要減も予想されるため、売り上げは相殺され、ほぼ横ばいとなる見通しだ」と述べた。