2025.09.17 AIで「医療迷子」の行動を支援 Ubieが新サービス投入
阿部氏は「クリアな答えがあるか分からないときに使ってほしい」と力を込めた。
ヘルステックスタートアップのUbie(ユビー、東京都中央区)は、AI(人工知能)を活用して医療行動を支援するサービスの提供を始めた。体調不良や健康に関する悩みを持つ生活者が適切に判断し受診などの行動をとれるよう支援し、病気の早期発見と治療にもつなげたい考えだ。
今回用意した新サービスは、医療に特化したAIパートナー「ユビー」。50人以上の医師監修のもと開発した。サービスの信頼性を確保するため、医師を含む専門家チームが継続的に監視・改善する。
機能面では、従来の症状検索にとどまらず、AIとの会話を通じて個人の状況に応じた「次の一歩」を提案することが特徴。受診すべき診療科の選択から、医師との対話で伝えるべきポイントや受診後の疑問解消まで、医療行動の全プロセスを伴奏してくれる。
さらに、利用者との対話を通じて健康状態や関心ごとを記憶し、個人に最適化された案内を提供。また、マイナカード所有者の個人向けサイト「マイナポータル」との連携により、過去に処方された薬や受信した医療機関の情報も記憶し、服薬履歴や受信歴に関する問い合わせに対応できるようにした。
同社が8月に全国の男女1200人を対象に行った「医療アクセス実態調査2025」の結果によると、医療に関わる各段階で困りごとを抱える「医療迷子」が全体の72%に上った。
同社は、こうした実態を踏まえて適切な医療アクセスの支援に注力し、30年までに医療迷子の経験率を36%に半減させる目標を掲げた。グーグルやNTTドコモなどとの連携で顧客接点も広げ、月間利用者数3000万人以上の達成も目指す。
東京都内で記者会見を開き、共同代表取締役で医師の阿部吉倫氏は「デバイス連携や入力支援といったマルチモーダル化にも取り組んでいきたい」と、サービスの拡充にも意欲を示した。