2025.10.17 東芝ライテック、国際宇宙ステーション日本実験棟の船外LED開発
宇宙活動をサポートする「LEDビデオライトユニット」
東芝ライテック(神奈川県横須賀市)は16日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と締結した研究開発契約に基づき、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の船外に取り付ける宇宙用照明モジュール「LEDビデオライトユニット」を開発し、プロトフライトモデルを納入したと発表した。
設計が要求を満たしているか認定試験で確認するプロトタイプモデルと実際に宇宙に打ち上げるモデルの両方を兼ね備えたモデル。種子島宇宙センターから10月21日以降に打ち上げられる新型宇宙ステーションの補給機1号機に搭載される予定。
「きぼう」日本実験棟に設置され宇宙空間での作業を行うロボットアームにビデオカメラとともに取り付けられたLEDビデオライトユニットが照らすことで、さまざまな宇宙活動を安全と作業効率の両面からサポートする。照射面の明るさのむらを抑制するため、複数のLED素子とレンズを適切に配置した配光設計により、くまなくエリアを照らす。
また、宇宙放射線による機器の故障や、誤動作を防ぐために、放射線耐性のある材料の選択、適切な遮蔽構造による電子部品の保護など、複数の対策を組み合わせた設計としたうえで、放射線照射試験により十分な体制を確認している。
一部のLED素子故障時にも、正常LED素子の出力を自動調整して明るさを一定に保つバックアップ機能を搭載し、保守品や故障時の交換対応にかかるコストを低減している。市販の電子部品を多く使用することで、部品調達を含めた製作期間の短縮と材料コストの圧縮を実現したという。