2025.11.25 小学生の生成AI認知率、3年で大幅上昇 ベネッセが意識調査

 小学生の生成AI(人工知能)認知率は74.7%で、2023年から約26ポイント上昇したことがベネッセコーポレーションの意識調査で分かった。 生成AIを知っていると答えた小学生のうち、利用経験者は8割を超え、家庭でも積極的な活用が進む一方、ルールづくりや親子の対話は追いついていない状況が浮き彫りとなった。

 調査は小学3~6年生とその保護者1032組を対象に、生成AIの認知や利用経験、今後の利用意向などを聞いた。

 生成AIを「知っている」と回答した小学生のうち、約80%が利用経験を持つと答え、AI活用が「習慣化フェーズ」に入りつつある傾向が示された。 利用環境としては「保護者のスマホやPCを使う」が最も多く、自身のデバイスで使うケースも多い。

 一方、家庭での活用に関する対話は十分とはいえない状況が続く。 「生成AIの使い方について話し合ったことがある」と答えた家庭は約5割にとどまり、2023年調査の約4割と比べて大きくは伸びていない。

 生成AIによる影響について、保護者はポジティブ・ネガティブ双方の変化を感じている。 65.2%が「情報収集能力の向上」「表現の広がり」など前向きな影響を挙げた一方、49.3%が「自分で考える機会の減少」を懸念するなど、教育現場や家庭での向き合い方が課題として浮かび上がった。

 小学生自身は生成AIを「楽しい」「安心する」と捉える傾向があり、「分からない時にまずAIに聞く」と回答した割合も約6割に達した。 一方で、同程度の割合が「AIの回答の誤りに気づいた経験がある」と答え、リテラシー形成が進み始めている傾向も伺えた。

 ベネッセ教育総合研究所統括責任者兼教育イノベーションセンター長の小村俊平氏は「生成AI利用が当たり前となる一方、家庭でのルールづくりや親子の対話は十分に整っていない。 今後はAI活用と人間ならではの能力育成の両立が重要になる」と指摘した。