2025.11.28 富士通、保険向け基幹業務クラウドを日本市場に提供開始 SAPとのパートナーシップで開発

「Fujitsu Cloud for Insurance Japan Edition」で提供予定の機能例

 富士通は、保険業界向けクラウドプラットフォーム「Fujitsu Cloud for Insurance Japan Edition」を、2025年11月末から日本国内の保険会社向けに提供開始する。ERP(統合基幹業務システム)世界大手の独SAPとの戦略的パートナーシップにより開発した。

 同プラットフォームは、SAP Fioneerが世界で展開する「SAP Fioneer Cloud for Insurance」を基盤とし、富士通が日本の保険業界特有の法規制や商習慣に適応する機能やサービスを独自に統合した。保険商品の管理、契約管理から保険金支払い、請求・収納まで、保険業務のライフサイクルを網羅するオールインワンプラットフォーム。

 背景には、少子高齢化の進展やデジタルネイティブ世代の増加、フィンテック企業の参入などにより、日本の保険業界を取り巻く環境が急変している現状がある。従来システムの老朽化やブラックボックス化、IT人材不足やガバナンス強化の必要性も顕在化し、業務効率化とDX化へのニーズが高まっていた。こうした課題に対し、世界標準の保険基幹業務システムを日本市場向けに適合させたプラットフォームを開発した。

 日本市場の保険商品構造や等級制度、自動車保険の割増・割引など日本固有の要件に対応した商品テンプレートなどを備えるほか、見積りから契約や満期管理、保険金支払いまで標準的なワークフローをサポート。代理店型・ネット型のいずれにも対応できるようにした。導入から運用、保守までを国内で一貫サポートすることで、カスタマイズを最小限に抑え、TCO(総所有コスト)の削減と運用の効率化につなげた。