2025.12.01 島津製作所グループ、ヘリウム・水素による「リークディテクタ」新製品の販売開始
新製品を紹介する島津産機システムズの藤村卓史営業部専門部長(左)と海野善夫技術部課長
島津製作所グループの島津産機システムズは1日、漏れの検出にヘリウムや水素を用いるリークディテクタ「MSE-2600」シリーズ3モデルの販売を内外で始めた。世界最高水準の排気速度で、自動車や半導体などの製造を後押しする。
同シリーズは「2601」「2602」「2603」で構成。税込み価格は、それぞれ220万円、300万円、350 万円。
今回の装置は、製品や設備の微細な穴からの漏れ(リーク)を質量分析技術で検出する漏れ試験器。島津産機システムズ技術部第5技術課の海野善夫課長は、初めてターボ分子ポンプ(TMP)をリークディテクタに搭載したことで、最高クラスの性能を実現したと説明している。
新製品は、漏れの検出に使用されるトレーサガスとしてヘリウムや水素を用い、最も高感度なリークディテクタを実現したという。
ヘリウムリークテストの代表的な試験方法には、半導体製造の過程でよく使用される真空吹付法がある。この方法では、装置内蔵のTMPによる排気で試験体内部を真空状態にして、試験体表面の漏れが疑われる個所にトレーサガスを吹き付け。内部へのガス流入がリークディテクタ内の質量分析計で確認されると、リーク場所の特定が可能になる。ガスを吹き付け始めてから漏れ量を感知するまでの検査時間は同社従来機種から約4割短縮できたという。
リークディテクタの用途は、自動車や半導体、医療機器、空調機器、冷蔵庫や魔法瓶などと幅広い。同社営業部の藤村卓史専門部長は「今後1年間で国内外600台の販売を予定しているが、うち60%は国内需要と見込んでいる」と語った。同部長によると、現行シリーズからの切り替えを促進し、来春からは全面的に新製品に移行させていく考えだ。










