2025.12.15 地域密着の家づくり、滋賀・草津に第1弾を完成 パナソニックホームズ

「近江の家」モデルハウス外観 ビワイチポートを設けるなど地域により沿った家づくりとなっている

モデルハウス室内。ワンフロアによる楽家事も魅力 
モデルハウス室内。ワンフロアによる楽家事も魅力 

 パナソニック ホームズは、地域の特性や多様なライフスタイルに合わせた住宅を推進する「日本の家」プロジェクトの第1弾として、滋賀県草津市に「近江の家」街かどモデルハウスを完成させた。

 同社は、少子高齢化や建築コストの高騰などを背景に新築着工戸数が減少していくなか、新たな商品・営業戦略の一環として、各地の暮らしや自然・風土に合わせた地域密着の家づくりを推進する日本の家プロジェクトを2024年4月に立ち上げ、企画・開発に取り組んできた。

 近江の家は、グループの販売会社であるパナソニック ホームズ滋賀(武田悟代表取締役社長)が、滋賀県の地域特性に合わせて独自のアレンジを施したエリア商品で、「豊かな自然を満喫し、家族とアクティブに、健康的に暮らす平屋」をコンセプトとする。

 近江の家街かどモデルハウスは、JR南草津駅近くの住宅地「南草津プリムタウン」内に建設。歩いてすぐにスーパーもある便利な場所にあり、30代の子育て共働き世帯をメインのターゲットとする。

 延べ床面積108.67㎡(土地面積237.30㎡)の平屋で、玄関ホールには滋賀県民に愛される琵琶湖のさざ波をイメージするウッドパネルを配置したほか、県民なら一度は挑戦するとされるビワイチ(琵琶湖一周)用の自転車ポートなど、県民性も採り入れた家づくりとなっている。

 ふなずしなど発酵食品を愛する県民性を踏まえ、天井埋込型ナノイー発生機「エアイー」を設置した発酵パントリーを備える。共働き世帯や在宅勤務に配慮し、リビングに隣接して1.5階の「スキップフロアー」と「かくれがライブラリー」も配置している。また、びわこ虫(ユスリカ)を気にせず洗濯物を干せる「家事楽ドライピット」もキッチンに隣接して配置されている。

 滋賀県は、京阪神への通いやすさもあり、県外からの移住者も多く、人口は微増、特に南部は増加傾向にある。パナソニック ホームズ滋賀の武田社長は「滋賀県では着工戸数が減少しても、平屋は増加傾向にある。高齢世帯にはバリアフリーで、若年層には建築コスト面での有利さやワンフロアによる家事楽がメリットとなっている」と話す。

 「近江の家街かどモデルハウスを建築し、リアルな体験を通し認知を高めたい」(武田社長)と話す。同社では一定期間モデルハウスとして活用した後、土地・建物を売却する。25年度は同様のモデルハウスを5棟建築する予定だ。

 同社は、26年度に年間100棟の新築販売を計画するが、その3割程度を近江の家コンセプトを導入した住宅にしたい考えだ。

 パナソニック ホームズは、滋賀県を含め全国15エリアで、地域の土地柄に合わせた日本の家プロジェクトを加速。「地域に寄り添い、一番に頼られる真のくらしのパートナーを目指す」(奥田弘之商品・デザイン企画室長)と話す。