2025.12.16 SCSK、アパレルEC向け画像生成AIサービス「MIM for Business」提供開始 CX向上とクリエーティブ制作効率化を支援
SCSKは15日、アパレルEC(電子商取引)市場のクリエーティブ制作の効率化と顧客体験(CX)向上を目的とした法人向け画像生成サービス「MIM for Business(ミム フォー ビジネス)」の提供を始めたと発表した。生成AI(人工知能)を活用し、従来のモデル撮影に依存していた着用画像生成のコストとリードタイムを大幅に改善するのが狙い。
アパレルEC市場では、多品種少量生産や顧客ニーズの多様化といった環境変化に伴い、全アイテムに対する高品質な着用画像を用意することが困難になっていた。従来の撮影では時間と費用の負担が大きく、多くの商品が着用イメージを欠いたまま販売されるケースも散見された。こうした業界共通の課題を解決するため、SCSKは先行サービスである「MIM for Consumer」で得られた知見を踏まえ、今回の法人サービス展開に踏み切った。
MIM for Businessは、1枚の既存商品画像からAIモデルによる多様な着用イメージを自動生成できるサービス。生成されるAIモデルは、身長、体重、年齢、人種、性別、ポーズ、背景などの属性情報を自由に設定でき、顧客が自身に合った着用感を直感的に理解できる画像を提供。リアルで没入感のある着用体験を実現し、ECサイト全体の表現力と訴求力の強化につなげる。

特に従来の撮影コストでは採算が合わなかった少量生産品や小物、雑貨などに対しても安価で迅速に対応できるのが特徴。即日生成による納品も可能で、商品掲載までのリードタイムを短縮し、機会損失を防ぐ効果が期待される。生成された着用画像は原則として使用期限がないため、継続的な利用が可能であるほか、過去シーズンの商品と新作アイテムを組み合わせたコーディネート画像生成にも対応し、在庫活用の幅を広げる。
SCSKは本サービスを通じて、ECサイト上での顧客の心理的障壁を解消し、コンバージョン率(CVR)の向上と返品率の抑制による売り上げ機会の最大化を目指す。今後5年間で約10億円の売り上げ規模を見込む計画であり、アパレル業界を起点に、ファッションレンタル企業やブライダル業界など幅広い用途での導入を推進する意向を示す。将来的には家具・インテリアや化粧品分野など、生成AI技術の汎用性を生かした新たなCX創出の加速も視野に入れている。








