2025.12.27 ヒロセ電機のパワートレイン向け基板対ケーブルコネクター「ZE150HV」 CESイノベーションアワード2026受賞

ZE150HⅤシリーズ

 ヒロセ電機の電動車パワートレイン向け高電圧対応小型基板対ケーブルコネクター「ZE150HV」シリーズが、米CES主催のCESイノベーションアワード2026でビークルテック&アドバンストモビリティ部門の「Innovation Award Honoree」を受賞した。同社のCESイノベーションアワード受賞は、今回が5製品目となり、ワイヤーコネクターでの受賞は同社初となった。

 ZE150HVシリーズは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のパワートレイン向け高電圧用途に最適化された、コンパクトな基板対ケーブルコネクター。4.5mmピッチで、1000V AC/DC、10Aの電流、最高125度までの温度に対応。IEC60664規格(汚染度2、高度6000m)を満たし、優れた電気特性と機械的安定性を兼ね備えている。

 同シリーズは、高電圧EV/HEVシステムの重要な課題を解決する三つの革新的技術(①過酷な環境下での一体型性能②2枚バネ・3点接点構造による耐振動性③高電圧安全性を確保するCPA機構)を導入し、過酷な環境下でも安全かつ信頼性の高い電源接続を実現する。

 1000Vを達成するためにはピン間に一定の距離が必要だが、同社独自のリブ構造(特許出願中)をコンタクト間に設けることで、この距離を短縮。コネクターの小型化とシステム全体のさらなる省スペース化を可能にした。

 ZE150HV端子は3点接点構造を採用し、従来設計に比べて導通切れリスクを低減し、信頼性を向上。2枚バネ構造により接触力を高め、激しい振動下でも安定した接続を維持する。これにより、EVモーターやインバーター周辺など振動の多い環境でも連続した電気接続が可能。堅牢なハウジングとコネクター位置保証機構(CPA)により、部品をはめ合わせる際などのヒューマンエラーを防止。高電圧環境でのアーク発生や感電リスクを低減する。

 さらに、耐熱性のあるRoHS2対応材料を使用し、過酷な条件下でも長期的な信頼性を確保。製品寿命の延長と、損傷や再作業による廃棄物削減を通じて、環境配慮型設計にも貢献する。

 ZE150HVシリーズは、2026年3月の販売開始を予定している。

 CESイノベーションアワード2026は、36の製品分野について、製品の品質やデザイン性、ユーザーへの価値、競合製品に対する革新性を基準に、国際的に優れた製品を表彰するもの。