2026.02.21 KDDI・東芝系など、商用網で大容量データ伝送実証 耐量子技術を活用
大容量データの伝送のイメージ 提供:KDDI
KDDI、KDDI総合研究所、ノキアソリューションズ&ネットワークス、東芝デジタルソリューションズの4社は、量子コンピューター時代に対応した2種類のセキュリティー技術を用いて、商用ネットワーク上でテラビット級の大容量データの伝送を実証することに成功したと発表した。国内初の成果となる。
今回の実証は、KDDIの大阪堺データセンター(大阪府堺市)と大阪市内のネットワークセンターを結ぶ商用回線で1月に行った。データを暗号化するための共通鍵の配送に、光子の量子的性質を利用して共通鍵を共有する「量子鍵配送(QKD)」と、量子コンピューターによる解読にも耐えられるように設計された「耐量子計算機暗号(PQC)」を併用。QKDとPQCで共通鍵を安全に配送し、57.6テラビット(テラは1兆、Tbps)という大容量データを遅延の増加を招くことなく伝送した。
大容量データの伝送では、光ファイバーでの長距離・大容量通信に適した「C帯」と「L帯」を利用。共通鍵は、広く普及している共通鍵暗号規格「AES」と、KDDI総合研究所が開発した「Rocca-S」を使用した。その鍵を使って複数の層でデータを暗号化する「多層防御」の方式は、金融機関や医療機関など高度なセキュリティーが求められる専用線や、AI(人工知能)データセンター間の接続に適している。
AIの普及を背景に国内でAIデータセンターの整備が進む中、電力確保の観点からデータセンターが全国に分散配置される方向にある。データセンター間や各拠点を結ぶネットワークには、高速・大容量・低遅延に加え、従来以上に高い信頼性が求められている。一方でサイバー攻撃は高度化しており、将来的には量子コンピューターの登場によって現行の暗号方式が破られる可能性も指摘されている。こうした中、QKDとPQCが次世代のセキュリティー技術として注目を集めている
今後も4社は、AI利用の拡大に伴う通信量の増加や量子コンピューター時代のセキュリティー脅威に備えた技術開発を進めていく。









