2026.03.03 女性特有の健康課題、体調ナビサービスで支援 実証で効果確認 パナソニック

働く女性の健康行動支援と組織のパフォーマンスへの効果に関する実証事業概要

 パナソニック くらしアプライアンス社は、企業の健康経営や両立支援の促進、女性活躍推進を支援するファミワンの協力のもと、働く女性の健康行動支援と組織パフォーマンスへの効果に関する実証事業を実施した。

 体調ナビゲーションサービス「RizMo(リズモ)」による体調把握、専門家によるヘルスケア相談サービスや職場ワークショップの提供を通じた実証で、女性の健康行動促進と職場エンゲージメント向上の効果を確認できた。

 実証事業は、経済産業省が推進する2025年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」の採択を受けて実施した。

 女性特有の健康課題による社会全体の経済損失は、年間約3.4兆円に上る(24年2月、経済産業省調べ)と試算されている。このため、企業にとって職場におけるサポートの提供や、女性がより働きやすい環境づくりが、近年重要な経営課題となっている。

 働く女性の多くは、月経に関連する症状や睡眠不足により、心身の健康への影響を受けている。女性のヘルスリテラシーの高さが、仕事のパフォーマンスの高さに関連する可能性も指摘されている。 実証事業では、パナソニックで働く女性117人に、月経リズムと連動する衣服内温度と睡眠状態の測定、体調の可視化、知識提供を、RizMoを用いて行った。

 合わせて、ファミワンが実施する専門家によるオンライン健康相談などの機会も提供し、女性従業員の健康課題の改善とヘルスリテラシーがどのように変化するかを検証した。

 さらに、パナソニック従業員95人(女性59人/男性36人)を対象に職場単位のグループワークショップを実施し、女性従業員だけでなく、周囲のヘルスリテラシー向上や職場のエンゲージメントへの影響について検証した。

 この結果、女性従業員の睡眠の時間と効率の変化(計測データ前後比較)では、参加者の約70%で睡眠不足の減少が確認され、睡眠時間が有意に増加。また、参加者の約80%で中途覚醒の割合が減少傾向を示し、睡眠効率が有意に向上した。RizMoを利用した測定により、睡眠状態の客観的な分析が実現している。

 女性従業員のヘルスリテラシーの向上と行動変化(アンケート前後比較)では、参加者の76%が「女性特有の健康知識が増えた」と回答。

 「健康を気にかけている」と答えた参加者も85%と有意に増加した。当事者向けサービス(計測、体調の可視化、知識提供、健康相談)が、利用者集団の健康意識向上に役立つことが明らかな結果となった。

 女性の健康課題についても、「適切なケアができている」と答えた参加者は67%となり、有意に増加。サブグループ解析の結果、特に実施前の「ケアへの無関心群」で行動改善の度合いが高かったことが確認された。当事者向けサービスが、利用者集団の行動変容につながることが明らかとなった。

 ワークショップ参加者の周囲のリテラシー向上とエンゲージメント促進についてアンケートした結果では、女性特有の健康課題について専門家を招いた職場ワークショップに参加した98%が「理解が高まった」、82%が「話しやすい雰囲気になった」と回答。84%が「(体調不良を理由に)業務調整したり、休暇を取得したりしやすいと思えるようになった」と答え、制度活用への意識の変化が確認されたほか、男性の意識改善にも効果的であることが示された。

 パナソニックでは、今回の実証で得られた知見を生かし、社員一人一人が活躍する人的資本経営の実現と、女性特有の健康課題の解決を支援するフェムテック領域サービスのさらなる開発と普及に取り組んでいく。