2026.03.11 米国のエアタクシーサービスが前進 政府が関連プロジェクト8件を承認

米国政府がエアタクシープロジェクト8件を承認(写真はイメージ、アーチャー社HP)

 米運輸省と連邦航空局(FAA)は9日、eVTOL(電動垂直離着陸機)企業から申請のあったエアタクシー関連8件のパイロット試験計画を正式に承認したと発表した。この結果、エアタクシーは、全米26州の空域で実際の飛行試験が可能となり、ショーン・ダフィー運輸長官は「次世代のエアモビリティーによる人の旅行や物の輸送、緊急医療などで米国がリードすることは確かだ」とコメントを発表した。

 今回承認されたのは、エアタクシー各社によるeVTOLを都市部や地域の空港間で飛行させ、騒音や安全性、空域管理などを検証するための大規模なプロジェクト。運輸省によると、申請していたのはArcher AviationとJoby Aviationのほか、Beta Technologies、Electra、Wisk、Ampaire、Elroy Air、Reliable Roboticsの計8社。各社が各州の運輸当局や自治体と組み、八つのプロジェクトを申請していた。

 試験は、テキサス州やユタ州、ペンシルベニア州、ルイジアナ州、ノースカロライナ州などの主要都市の空港をハブとして活用。実際の都市環境での運用を想定し、今夏までに実施される。

 米国政府は、「e-IPP」と呼ばれる先進航空モビリティー(Advanced Air Mobility)とeVTOLの統合プログラムを推進しており、この枠組みによりFAAと企業や自治体は協力して運用ルールを策定できるようになった。FAAは「今回の承認により、技術面の審査より規制とインフラが共同歩調を取れているかどうかを検証したい」としている。

 世界のeVTOLの分野では、「低空経済」を推進する中国が先行している。米国では、夏以降の飛行試験が順調に進むと、アーチャーやジョビーなどの先行企業が商業運航の許可取得までの時間が大幅に短縮される見込みだ。米国のエアタクシーサービスは、実証段階から商用化へ移行しようとしている。