2026.03.13 ハリマ化成、高純度・高機能リコピンの展開に弾み 量産化実証に成功 

 ハリマ化成グループは12日、地球環境産業技術研究機構(RITE)との共同研究で、需要が拡大するリコピンのバイオプロセスによる量産化の実証に成功したと発表した。商用スケールでの培養実証を完了したことより、サンプルの提供を順次開始。2026年度内に製品を上市し、30年度に売上高20億円を目指す。同時に医薬品や食品など分野で、製品展開に向けたパートナー企業の選定も進める。 

 今回の実証は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が展開する「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」事業の「高吸収型天然カロテノイドの大量生産システム実証」として助成を受けて実施した。カロテノイドは、ニンジンやトマトなどに含まれる黄色や赤色の天然色素で、リコピンはカロテノイドの一種。抗酸化作用が高く、細胞の酸化ダメージを防ぐことから、美肌や肥満予防、血流改善への作用がある。 

 市場では、天然物由来のカロテノイドの需要が高いものの、野菜などの植物抽出からの供給量は限られており、代替となる生産手法が求められていた。 

 同社はRITEと共同でリコピンを、狙った製品を高効率に生産するよう設計した細胞「スマートセル」を用いたバイオプロセスを通じて、大量生産する方法を確立。商用スケールの実証には、NEDO関連施設「関東圏バイオファウンドリ拠点」と連携した。 

 開発では、野菜抽出や石油由来の化学合成製法と比較して、食料との競合を回避できることに加え、製造時の二酸化炭素(CO₂)排出量を削減し、環境負荷を低減。開発品は2種類。高純度リコピン粉末は、不純物が非常に少ないことから、幅広い用途に適用する。高機能リコピンは、植物抽出の従来品と比べて最大7.4倍の体内吸収効率を持ち、少量でも高い効果が得られる。 

 今後は、食品や医薬品グレードへの応用など、幅広いニーズに対応する製品の展開を予定。また、体内に吸収されやすいタイプの希少な天然カロテノイドを工業的に量産する手法の確立も推進。26年度に量産化工程の構築が完了する見込みだ。