2026.04.23 三菱、ポーランドで鉄道EMSの実証開始 データ分析サービスと蓄電システム活用

ポーランドのクラクフ市電

 三菱電機は、鉄道運行の省エネ施策を支援する「鉄道EMS(エネルギーマネジメントソリューション)」で、蓄電システム(ESS)を導入する新サービスの提供に向けた実証を4月から開始すると発表した。ポーランドのクラクフ市電で、独自のデジタル基盤「Serendie(セレンディ)」を活用した実証となる。

 ポーランドでは、急速な経済成長による電力需要の高まりが予想されており、燃料価格の高騰や再生可能エネルギーの導入などに伴うエネルギーコストの上昇が問題視されている。一方で、カーボンニュートラルに向けた取り組みが進む鉄道事業者では、鉄道運行に必要な電力の抑制や効率化、架線電圧の安定化が課題となっている。

 鉄道EMSの新サービスは、ESSで回生エネルギーの余剰電力(回生余剰電力)の有効活用を行う。今回の実証は、ポーランドのクラクフ市で市電やバスを運営するミエイスキエ・プシェドシェンビオルストフォ・コムニカチィネ・エス・アー・ヴ・クラコヴィエ(MPK)と同市道路管理局ザジョンド・ドルッグ・ミアスタ・クラコヴァ(ZDMK)の協力のもと、同社と関係会社メドコムが実施する。

 実証の第1段階として、鉄道向けデータ分析サービスを用い、クラクフ市電の電力消費量や余剰回生電力の発生状況、架線電圧の安定状況を分析する。第2段階では、分析データをもとにESS導入時の省エネ効果と架線電圧の変動幅の改善効果を検証。結果に基づき、余剰回生電力を見える化した地図の作成や架線電圧の安定化による鉄道運行の改善効果の分析を行い、クラクフ市電沿線でのESSの最適な導入場所を提案する。第3段階では、ESSをクラクフ市電沿線に設置し、回生エネルギーの蓄電や走行中の他の鉄道車両への供給を行う。

 実証には、次世代蓄電モジュール「Mitsubishi High Power Battery(MHPB)」を搭載したESSを利用。消費電力の削減量や架線電圧の安定状況を実測することで、クラクフ市電での電力の消費削減・最適化に向けた検証を実施する。

 実証期間は2026年4月~28年9月で、クラクフ市電が運営する複数路線で実証が行われる。

 同社は、実証での成果をもとに、鉄道EMSにESSを導入した新サービスの提供を目指す。鉄道EMSの提供を通じ、鉄道事業者のエネルギー最適化やカーボンニュートラルに向けた取り組みに貢献していく。