2026.06.19 東レ、JAXA宇宙戦略基金事業「空間自在利用の実現」に採択 宇宙空間でのモノづくりを実現する3Dプリンター技術・先端材料を研究
東レは19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業(衛星等第2期)で、技術開発テーマ「空間自在利用の実現に向けた技術」に「宇宙空間向け高機能樹脂材料、軌道上での3D積層造形技術の創出」が採択されたと発表した。
同プロジェクトでは、同社は代表機関となり、慶応義塾、アスペクト(東京都稲城市)、エス.ラボ(京都市伏見区)と連携し、「宇宙空間でのものづくり」を実現する高機能樹脂材料や3D積層造形(3Dプリンター)技術の開発を推進する。
従来、宇宙構造物は地上で製造し打ち上げる必要があり、サイズや重量、納期、コストに大きな制約があった。近年は小型衛星の大量打ち上げにより部品需要が急速に拡大しており、従来の供給方式では柔軟な対応が困難になっていた。宇宙空間で直接部品を製造できれば、こうした制約を緩和し、必要な部品をその場で製造するオンデマンド対応が可能となり、運用・保守の効率化や宇宙構造物の大型化に寄与する。
同社は、プロジェクトの全体統括を担い、これまで培ってきた材料技術を基盤に、真空、温度変動、放射線といった宇宙特有の厳しい環境下でも使用可能な高機能樹脂と高品質な3Dプリンター技術の創出を目指す。さらに、造形物の高品質化に寄与する真球パウダー「トレパール」や高機能樹脂パウダー「トレミル」の技術を基盤に高度化することで、宇宙空間に適した信頼性の高い部品製造の実現を図る。
同プロジェクトでの各機関の役割は、東レはプロジェクト全体の統括とともに、宇宙環境に適応する高機能樹脂材料の開発・高品質3Dプリンター材の高度化を担当する。慶應義塾は無重力下での造形制御やロボティクスを組み合わせた精密3D造形技術の研究開発や3D造形物への機能付与を担当。アスペクトとエス.ラボは地上での実績を基に宇宙環境に適応した3D造形装置の開発を行う。
同プロジェクトの技術は、特に小型衛星向けの短納期部品や宇宙ステーション内の補修部品など、宇宙空間での迅速な対応が求められる用途への活用が期待されるという。さらに、デブリ衝突から機器を保護するシールドの補修への応用も見込む。同時に、地上にも展開可能な先端製造技術としても見据えている。
プロジェクト名は「宇宙空間向け高機能樹脂材料、軌道上での3D積層造形技術の創出」。期間は今年4月から2031年1月までを予定。








