2026.06.25 デンソーテン、UWB技術が国際標準に BAN間の干渉抑制、低遅延通信へ 車載無線の社会実装加速

 デンソーテン(神戸市兵庫区、米本宜司社長)は24日、同社が提案する超広帯域無線通信方式(UWB=Ultra Wideband)の干渉抑制技術が、国際標準規格「IEEE 802.15.6-2026」に採用されたと発表した。今回の国際標準採用を契機に、UWBチップメーカーをはじめとする関係各社との連携を一層強化し、技術の社会実装を加速する。

 同標準規格は、2012年に策定された人体向け無線通信規格「IEEE 802.15.6-2012」を拡張し、車載分野を対象に加えたUWB無線通信規格。車両や人体に配置された複数のデバイス間の無線通信に使うBAN(Body Area Network)での利用を想定する。今後、モビリティーやウエアラブル機器の普及により、多数のBANが近接して動作する利用シーンの増加が見込まれる。

 一方、BAN同士の電波干渉により、通信遅延や不安定化が生じることが課題となっていた。こうした周波数を共用する無線機器間の混信・干渉環境下でも高い信頼性を確保するため、高信頼無線BANの新規格「IEEE 802.15.6ma」が2026年に採択され、「IEEE 802.15.6-2026」として規格化された。

 従来のBAN間干渉対策では、データパケットの衝突を回避するメディアアクセス制御技術として、ハイブリッドMACプロトコルが用いられてきた。ただ、多数のBANが近接する環境では通信待ち時間が長くなる課題があった。

 同社は、UWB通信フレームの先頭に配置されるプリアンブルコードの準直交性に着目し、複数のBANが同時に通信できる方式を提案した。同方式により、BAN間の干渉を抑制しながら通信待ち時間を短縮でき、低遅延で安定した通信周期を実現した。こうした有効性が評価され、国際標準への採用につながった。

 今後は、ワイヤーハーネスの無線化を起点とした技術により、車両内配線の削減による軽量化・省スペース化に加え、設計自由度や拡張性の向上を実現し、実用化・製品化に向けた取り組みを進める。

 また、SDV(Software Defined Vehicle)向けの後付け機器をはじめ、車載用途に加え、モビリティーの枠を超えた分野への展開も視野に入れる。ウエアラブル機器や見守り用途、高齢者施設・介護施設向けシステムなど、人に身近な分野での多様な無線製品・サービスへの応用に注力する。