2026.07.08 NEC、商品企画をAIで自動化 アンソロピック協業の初サービス 10月から本格提供へ

 NECは8日、消費者の購買データを基に商品企画や販促プランの作成をAI(人工知能)で完全自動化する「NEC AIインサイトレポーティングサービス」の提供を開始したと発表した。4月に米AI企業Anthropic(アンソロピック)と始めた戦略的協業に基づく初のサービスとなる。企業の商品企画やマーケティング担当者が、分析環境や専門人材を用意せず、販売戦略を迅速、低コストに立案できるようにする。

サービスの概要

 NECはこれまで、膨大なデータからビジネス課題の解決につながる統計的事実を自動で探索、特定する技術を開発し、サービスとして提供してきた。一方、分析結果を基に具体的な施策を立案する工程では、データサイエンティストやコンサルタントの作業が必要だった。作業には数週間から1カ月程度かかる場合もあり、対象商品が限られることや、分析環境、人材確保にかかるコストが課題となっていた。

 新サービスは、アンソロピックのAI「Claude(クロード)」と、SnowflakeのAIエージェント「Snowflake Cortex」を活用する。マーケティング施策の立案や商品企画など、解決したいビジネス課題を指示するだけで、分析結果と具体的な施策案をレポート形式で提示する。条件などの指示内容を変えた場合も、レポートを柔軟かつ高速に再作成できるため、複数の施策を短時間で検討できる。

 提供開始時は、分析用データとしてマクロミルの「消費者購買データ MHS」を活用する。今後は各企業が保有するデータを活用し、企業ごとの独自ノウハウと組み合わせて課題解決につなげるサービスも提供する予定だ。

 NECは9月まで、飲料、加工食品、日用品などの顧客企業の中から各業種・領域の1社と提携し、ビジネス検証を実施する。検証で得たフィードバックを基に、分析観点や項目を業界ごとに最適化したレポートフォーマットを作成する。10月から幅広い企業に本格提供する予定だ。

 価格は月額100万円(税別)から。利用規模などにより変動する。販売目標は今後3年間で累計100億円。NECは価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」の下、業種横断の知見と先端技術を組み合わせ、セキュアで安全・安心なAIサービスの提供を進める。

 アンソロピック日本法人の東條英俊代表執行役社長は、Claudeについて「安全性と信頼性を最優先に開発されたAI」とし、日本での責任あるAI活用の進展に貢献する考えを示した。Snowflake合同会社の佐久間圭執行役員パートナーアライアンス統括本部長は、同サービスがデータとAIの活用により、企業の意思決定高度化と新たな価値創出を後押しするとコメントした。