2026.10.15 日本政府、対米投融資で半導体工場建設へ 最大約3兆円を投資
日本政府は15日、日米関税交渉で合意した5500億ドル(約87兆円)の対米投融資の一環で、米国に半導体工場を建設すると発表した。人工知能(AI)向けデータセンターをはじめ幅広い分野で半導体需要が拡大する中、日米両政府は連携して強靱(きょうじん)な半導体サプライチェーン(供給網)の構築を目指す。
日米両政府は、対米投融資の枠組み「戦略的投資イニシアティブ」の下で、初となる半導体事業を実施することで合意した。日本側の投資により、米国の半導体受託生産大手グローバル・ファウンドリーズ(GF)がニューヨーク州に新工場2棟を建設する。
事業総額は約100億ドル(約1.6兆円)で、2026年内に1棟目の着工を予定している。将来的には生産設備の増設により、投資額が約210億ドル(約3兆円)まで拡大する可能性があるという。日本から拠出する資金は、国際協力銀行(JBIC)や民間銀行を通じて供給し、民間融資には日本貿易保険(NEXI)が保証を付ける。
日本企業にとっても、商機の拡大が見込まれる。経済産業省によると、東京エレクトロンやSCREENホールディングスは製造装置の供給に、東京応化工業は部材の提供に関心を示している。さらに、関連部品などを供給する中小企業への波及効果も期待されるという。
赤澤亮正経産相は同日の記者会見で、「AI時代における競争優位の確保に日米が協力して取り組んでいく上で、大きな意義を有する」と強調し、日米両国の経済安全保障の強化につながることへの期待も示した。
日米両政府は2月、戦略的投資イニシアティブの第1弾として、工業用人工ダイヤモンドの製造、米国産原油の輸出インフラ整備、AIデータセンターなどに電力を供給するガス火力発電に関する3件のプロジェクトを発表。3月には、第2弾として、次世代原子力発電所である小型モジュール炉(SMR)や天然ガス火力発電所を建設するプロジェクトを公表しており、今回の半導体製造プロジェクトはこれらに続く第3弾となる。









