2020.07.28 【電子レンジ特集 】簡単・おいしい調理機能が進化
スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」NE-BS2700
電子レンジ、オーブンレンジは、内食ニーズが拡大する中で、家庭の食を支える重要な家電製品だ。今年は、新型コロナ感染症拡大で在宅の機会が増えたことから、ますます内食化が進み、オーブンレンジをはじめ調理家電商品への関心が集まった。
もともと共働き世帯の増加で、いかに家事の省力化を図るかが大きなテーマとなっていた中、多くの家電製品で家事負担を軽減させる機能の強化が図られてきた。
オーブンレンジの場合、時短調理機能の進化など、近年は簡単に、手軽に、おいしく加熱調理できる機能の進化が顕著だ。食材の温めにとどまらず、多彩な加熱調理ができる高機能オーブンレンジへの関心が集まる。
時短調理につながる同時温めや自動調理メニューの充実、またスチームやレンジ、グリル、オーブンの各機能を駆使して、最適な加熱制御技術で、多彩なメニューをこなす調理性能を高め、簡単に、おいしく調理できるよう使い勝手の良さが向上している。
とりわけ、共働き世帯の増加を背景に、機能開発のポイントは〝時短〟〝時産〟への貢献だ。例えば、パナソニックでは、「ワンボウルメニュー」を提案し、食材をボウルに入れてボタンを押すだけのおいしい調理を提案する。このほか、〝ほったらかし〟を実現する多彩な食材を一度に調理できる機能を搭載するなど、簡単・おいしい調理機能の進化に各社全力を挙げている。
機能面でもIoT・AI(人工知能)技術を駆使して、献立の提案や相談など音声でのやりとりよって、ユーザーの使い勝手を高める工夫に力が入る。今後もこうしたユーザーに寄り添うような機能の進化は、IoTやAI技術の進化で、より使い勝手の良いものへと発展していくことになる。
食に関わる様々なサービスとの連動で、より便利な食生活の提案を始める動きも今後さらに活発化しそうだ。
パナソニックの主力製品
冷凍から一気に焼き上げ
パナソニックは、スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」最上位モデルNE-BS2700の提案に力を入れている。
内食ニーズの高まりを背景に、進化した「凍ったままグリル」機能やワンボウルメニュー、食のプラットフォームアプリケーション「キッチンポケット」との連携など、多彩な調理メニューと新メニューを増やせる使い勝手の良さを訴求し、ビストロシリーズのさらなる普及を目指す。
NE-BS2700は、調理性能がより進化。共働き世帯が増加する中、時短・省手間・バランスの良い食事づくりへのニーズが高まったことに対応した。タンパク質と野菜が一緒のバランスの良いメニューを冷凍から一気に焼き上げる新「凍ったままグリル」を搭載する。
「凍ったままグリル」機能は、高精細・64眼スピードセンサーが冷凍か常温かを見極めることで、下ごしらえして冷凍しておいた食品を凍らせたまま一気に任せきりで焼き上げ、解凍の手間を省いて時短調理につなげる。
今回、高精細・64眼スピードセンサーで食品が常温か冷凍かを見極め、大火力極め焼きヒーターの火力をさらにアップした。この高火力によって、従来の肉や魚の単品中心から、肉や魚に野菜を加えたボリュームメニューまで(1-4人分)、タンパク質と野菜のバランスの良いメニューを、冷凍から一気に調理できるようになった。
好評のワンボウル調理に、野菜を分量フリーで調理する「やみつき野菜」コースも新たに搭載した。
さらに、食のプラットフォームアプリ「キッチンポケット」と連携した食の「くらしアップデートサービス」がより充実した。
辻調グループが監修した本格的なこだわりメニュー(しらすのペペロンチーノ、肉団子のスープ仕立てなど)を新たに追加している。
東芝LSの主力製品
分量に合わせ火加減を自動調節
東芝ライフスタイルは、IoT対応した過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム」ER-VD7000を訴求する。
VD7000は、同社初のIoT対応したオーブンレンジ。専用アプリケーション「IoLIFE(アイオーライフ)」をインストールしたスマートフォンを使い、外出先でレシピ検索できるほか、レシピに記載されている加熱情報をレンジ本体に送信して調理設定もできる。
「石窯おまかせ焼き」機能も新たに搭載。メーンとなる食材を牛、豚、鶏、野菜から選び、ほかの食材とワンプレートで並べてスタートボタンを押すだけで、温度センサーや他のセンサーを活用し、食材の分量に合わせて火加減を自動で調節して焼き上げる。食材の分量は200グラムから1キログラムまで調理できる。骨付き肉やブロック肉はチェック項目があり、それを選択すれば対応可能。フライパン料理より手間なく簡単にオーブン料理を実現する機能だ。
ブロック肉のチェックなど細かな設定もしやすい、5インチの大型カラータッチ液晶を本体に採用。従来機種に比べて約1.3倍大きくなり、見やすく操作もしやすい。大型画面を生かし、温めのコツやおすすめメニューの作り方、材料も液晶画面で確認できる。
時短ニーズへの対応も強化している。ボウルに食事を入れてスタートするだけの「分量おかませ!スピードメニュー」10レシピを新たに採用した。「肉じゃが」「野菜炒め」など人気メニューが多く、1-4人分の範囲で分量を変えることができる。
約1分加熱するだけで1品完成する「おつまみ1分」メニューも6レシピを追加し、全12レシピに拡充。パン生地をこねる手間が不要で専用の材料や道具がなくても焼き立てパンを作れる「お手軽パン」メニューには、食パン、コッペパン、糖質カットパンの3レシピを追加して17レシピとした。