2020.08.10 エレクトロニクス商社 ロボット販売本格化労働人口減に加えコロナ感染防止など導入機運高まる

産業用ロボットに本格的に取り組むエレクトロニクス商社が増えている

様々なサービスロボットが登場してきた(THK製「検温ロボット」)様々なサービスロボットが登場してきた(THK製「検温ロボット」)

 人手不足や人件費の上昇、IoTやCASEなど新領域での高度な自動化ニーズ、コロナ感染の人的リスク回避などを背景に、産業用ロボット、サービスロボットの需要が広がる中、エレクトロニクス商社は新規事業の一環としてロボットの販売およびソリューション提案に本格的に取り組み始めた。

 日本は今後、少子高齢化がいっそう進む。「世界の工場」を標榜(ひょうぼう)してきた中国も15年後に超高齢社会を迎えるなど、労働人口の減少は製造業にとって深刻な課題で、モノづくりに産業用ロボットを活用する機運が盛り上がる。

 コロナ感染が世界に拡大し、人的なリスクを回避する様々なサービスロボットが開発され市場の関心も高まっている。

 エレクトロニクス商社は付加価値を高めるため、半導体単体ビジネスから、産業分野を中心としたシステム販売やソリューション事業へとビジネスの軸足を移しつつあり、その一環として産業用ロボットやサービスロボット分野に取り組むところが増えた。

サービスロボット提案

 マクニカは工場・プラント・倉庫における従業員輸送や物資搬送の自動化による、効率的かつ経済的な生産体系を構築する自動運転、および自動清掃ロボットによる清掃の自動化の提案を推進する。

 自動清掃ロボットはAvidbots(アヴィドボッツ)社(カナダ)の「Neo(ネオ)」で、既に羽田空港国際線ターミナルや阪急三番街(大阪)などに納入している。

 丸文は米アイオロス社のAI(人工知能)を駆使した汎用ロボットプラットフォームの取り扱いを開始した。

 高齢者介護施設やホテル、レストランにおいて人の支援サービスを提供するほか、空港および工業施設の安全確認・警備パトロールなどにも対応する。介護施設向けにUV消毒に使うロボットなど、用途開発を進めていく。

協働ロボット導入進む

 菱電商事は三菱電機のFA機器をはじめ工場の生産設備に注力し、産業用ロボットも販売している。

 三菱電機製に加えてユニバーサルロボット(デンマーク)の産業用協働ロボットを扱っており、自動車分野などからの引き合いが増加。人とともに作業する協働ロボットは、中小工場でも導入が進む。

 リョーサンは、新規事業として協働ロボットの販売を本格的に開始した。FRANKA EMIKA(ドイツ)とSIASUN(新松、中国)の2社の製品を中心に周辺機器やSI(システムインテグレート)まで含めたトータルソリューションとして事業を拡大する。昨年12月には「国際ロボット展」(東京ビッグサイト)にも出展した。

 立花エレテックは、新規分野で産業用ロボット事業を強化している。三菱電機、川崎重工業、ABB社などを取り扱う。

 AGV(無人搬送車)・ビジョンシステムを組み合わせた生産ラインや工場全体のスマート化提案に注力。

 本社(大阪市西区)1階の常設ショールームに続き、東京支社(東京都港区)1階にもロボットのデモやIoT、AI技術への取り組みを紹介するショールームを新設した。

 東京エレクトロンデバイスは安川電機製など産業用ロボットを活用したソリューションを開発。グループのファースト(神奈川県大和市)では「AI評価ツール」を組み込んだ3Dビジョンロボットシステムや接着剤の塗布作業向け「ディスペンサーロボットシステム」などを開発している。

 カナデンは産業用ロボット事業強化の一環で18年5月、SIのオフィスエフエイ・コム(栃木県小山市、飯野英城社長)と合弁でタイにエンジニアリング会社「FACOM-KD(Thailand)」を設立した。

 多くの日系企業が進出するタイを中心にASEAN市場で、産業用ロボットをはじめとする生産自動化設備のSIやエンジニアリング事業を拡大させる。

 飯田通商は不二越製の協働ロボットを扱う。「NACHiロボット営業部」を設け、不二越と一体になり営業活動に取り組んでいる。

 ロボット単体に加え、工場の生産ラインを診断して最適なシステムを提案。人手不足で悩む中小工場の自動化を支援する。