2020.08.21 【電気暖房器特集】時代に合わせて着実な進化

左から「コアヒート」「コアヒートスリム」「スリムカーボン」左から「コアヒート」「コアヒートスリム」「スリムカーボン」

 電気暖房器の新製品がメーカーから発表され始めている。新型コロナウイルスの流行で、今年の冬は例年以上に「巣ごもり」する可能性は高く、電気暖房器の需要にも影響を与えそうだ。緊急事態宣言下の4、5月で既に暖房機器が例年と異なる販売動向を見せるなど、その兆しは出ている。テレワークの浸透もあり、スポット暖房としても使いやすい電気暖房の活躍の場はさらに広がるはずだ。

 日本電機工業会(JEMA)の統計では、電気温風機・電気ストーブの19年度出荷台数は前年比5.5%増の124万3000台となった。電気暖房を含む暖房機器の需要のピークは12月。寒気の影響で変動はあるものの、年を越えると需要が落ち着いてくるのが例年の傾向だ。

 今年も、大枠では同様の傾向になるはずだ。半面、ウィズコロナで迎える初の冬季。ウイルスがまん延しやすい乾燥シーズンだけに、感染症予防策には例年以上に神経質になる。

 自宅で過ごす時間が増えるとともに、テレワークの浸透で快適に働く環境を整えるために、足元の冷えを解消するスポット暖房として電気暖房器のニーズは高まりそうだ。新型コロナが需要に与える影響には注視していく必要がある。

 電気暖房器は、電源を入れてからの素早い立ち上がりや、エアコンの補助暖房として毎年一定のニーズがある製品で、毎年10月頃から需要が本格化してくる。近年では脱衣所などに設置し、冬場のヒートショック対策としても提案されるようになっている。

 床への据え置き型に加え、壁に設置する壁掛け型も製品化されている。壁掛け型は、夏場でも利用できるように送風機能を搭載するなど、年間を通した利用も提案されている。

 電気を動力源としているため、省エネ運転を実現する技術の実装も進んでおり、人感センサーを組み合わせた自動でのオン/オフ操作なども可能だ。インテリア性に配慮してデザインの向上にも力が入るなど、成熟した製品ではあるが、時代に合わせて着実な進化を続けている。

コロナの主力製品「コアヒート」「スリムカーボン」

 コロナは、遠赤外線電気暖房器「コアヒート」や、カーボンヒーターを使った「スリムカーボン」の新製品を発売する。

 コアヒートは、独自の高輻射ブラックセラミックコーティングを施し、耐久性を高めたステンレスシーズヒーター管を採用している。独自のコーティングでヒーター管の赤熱を抑え、電気エネルギーが人体に最も吸収されやすい3-20マイクロメートルの遠赤外線に効率良く変換されるため、体を芯まで暖めることができる。

多彩な住空間に調和するデザイン

 新製品は、「暮らしに溶け込むシンプルなデザイン」をコンセプトに開発。本体正面の縁を従来よりも薄くし、シンプルな色使いを基調とした丸みのあるフォルムにすることで、多彩な住空間に調和するデザインにしている。操作部のデザインは、つまみを大きくするなど使いやすさにこだわっているほか、視認性を高めるために本体上部にパワーモニターを配置している。

 シーンに合わせた3段階の自動首振り機能を搭載。首を振る範囲を30度、50度、70度の3段階から選べるようにし、手動でも首を60度動かすことができるようにした。上下の角度も下方5度、上方32度まで調節できる。広角可動により、1人で使う場合や複数人で使う場合など利用シーンの幅が広がっている。

省エネ運転でも暖かく

  省エネセンサーも備える。10分間人がいないことを検知すると自動で出力を下げて省エネ運転を実行。さらに約20分間人がいない場合に自動で運転を停止する機能を追加し、電力の浪費を抑える。体感温度を保ちつつ定期的にパワーをセーブするゆらぎ運転を併用して、1シーズンの電気代を最大約8800円減らすことも可能だ。ヒーター部に加え、製品本体にも3年保証を適用している。

 新しいコアヒートは、スリムタイプもラインアップしている。同じステンレスシーズヒーター管を使っており、キッチンの足元などの暖房に最適だ。

 スリムタイプとしては、電源を入れるとすぐに暖まるカーボンヒーターを使ったスリムカーボンもそろえ、帰宅時の素早い暖めや、エアコンのない脱衣所向けに最適な製品として提案している。