2020.08.25 【調理家電特集】巣ごもり需要で販売好調
巣ごもり需要で注目される調理家電。秋商戦でも活発な需要に期待がかかる
秋商戦は調理家電の提案に最適なシーズンとなる。今年は新型コロナウイルス感染症拡大で巣ごもり需要が拡大し、好調な推移を示す商品が多いが、引き続き内食の傾向は続くとみられることから、堅調な商戦展開が見込める。
調理家電商品群では、主力のIHジャー炊飯器やオーブンレンジをはじめ、〝ほったらかし家電〟として注目を集める自動調理鍋、オーブントースター、ホットプレート、ハンドブレンダ、ジューサーミキサー、ホームベーカリなど、普及価格の商品から高級ゾーンまで、幅広い提案商材がそろい、これらの商品の多くは販売が伸びている。
在宅時間が長くなり、家事負担も増えていることから、時短調理や自動調理など手間をかけずに、おいしい料理ができる自動調理鍋など、ほったらかし家電への関心は高い。
家庭内での団らんを深めるパンやケーキ・お菓子作りなどの機会も増えており、巣ごもりに関わる幅広いニーズが調理家電の需要を顕在化させた。
主力商品の一つ炊飯器の場合、忙しい中でもおいしくご飯を味わってもらおうと、少量を高速で炊飯する時短炊飯や、炊いたご飯を冷凍保存する際、パサつきやベタつきがなくおいしく冷凍できる炊飯メニューを搭載するなど、各社は市場ニーズに対応した機能開発に力を入れている。
炊飯器で、おかずもおいしく調理できるメニューを搭載する機種もあり、ボタン一つであとはほったらかしの簡単調理を提案する。
ほったらかし家電として注目される自動調理鍋は、食材と調味料を入れてあとはボタンを押すだけで、失敗なくおいしい料理が仕上がることで人気。
つきっきりでいる必要がなく、ほかの調理や家事、家族とのコミュニケーションなど〝時産〟につながる特徴として好評だ。
オーブンレンジの場合は、同時温めや時短メニュー(自動メニュー)の充実など、よりユーザーが使いやすく、かつ簡単においしく調理できる機能が進化している。加熱性能やセンサー機能の進化で、食材に合わせて最適な火加減でスピード加熱するなど、使い勝手を高めている点が支持される。
オーブンレンジや自動調理鍋ではメニューをダウンロードするなど、IoT対応の機種も増えており、使い勝手が進化している。
タイガー魔法瓶の主力製品、炊飯器「炊きたて」シリーズ50周年記念モデル
タイガー魔法瓶は、「炊きたて」シリーズ50周年を迎え、記念モデルとして、土鍋圧力IHジャー炊飯器「炊きたて」土鍋ご泡火炊きJPL-A100を9月10日から発売する。
記念モデル発売に合わせ記念キャンペーンを展開するほか、市川海老蔵を起用したテレビCMの放映や「土鍋神話」公式サイトもオープン、土鍋で炊くご飯のおいしさを訴求していく。
同社では07年から内釜に土鍋を採用し、〝土鍋ごはん〟のおいしさを訴求してきた。炊きたてシリーズは1970年に初代モデルを投入。累計7千万台の出荷実績を持ち、半世紀にわたる技術を結集、土鍋による最新の炊き技へと進化させてきた。
土鍋ご飯の旨味を追求
最新の「土鍋ご泡火炊き」は、本物の土からできた蓄熱性の高い「本土鍋」によって、最高温度約280度の遠赤効果(=通常の金属鍋の約4倍の効果)による輻射熱でうま味をじっくりと引き出す。
さらに土鍋ならではの細かい大量の泡が米を包んで表面を守るため、米同士がぶつかって傷つくことが少なく、うま味成分であるデンプンを閉じ込めて、表面はつややか、もっちりとした食感に炊き上げる。
新製品JPL-A100は、土鍋の高い蓄熱性と遠赤効果が生み出す圧倒的な高火力、力強くやさしい泡立ちによる炊き方が特徴の土鍋ご泡火炊きに、新たに「丹精仕上げ」を採用、甘みとハリをさらに引き出す。
また、新機能として「おひつ保温」を搭載。炊きたてのご飯のおいしさを持続させるべく、保温性能をさらに進化させた。
おひつ保温では、外気を取り込んで蒸気を放出する「ハリつやポンプ」を搭載している。これによって、木製のおひつが〝呼吸〟して空気・水分をうまくコントロールし保温するように、内なべ内の湿度を調整して、炊きたてのおいしさを持続させる。
好評の「一合料亭炊き」も進化。新製品では、さらに少量の茶碗一膳分(0.5合)や炊込みご飯にも対応。一膳でも料亭のような炊きたてご飯を味わえる。
このほか、子育て家庭でも安心して使える「良い音設計」採用のミキサーSKT-A型、SKR-V型、今月下旬から発売したフードプロセッサSKU-A型(いずれもキッズデザイン賞受賞)もラインアップするなど、炊飯器をはじめ多彩な調理家電商品群をそろえ、拡大する内食ニーズに対応する。