2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】日立システムズ 柴原節男社長

デジタライゼーション領域拡大

 保守拠点やデータセンターなど全国約300のサービス拠点網を生かし、企業や官公庁のシステムの構築から保守運用まで支援できる強みがある。この強みを生かし現場のデジタライゼーションの領域を広げるとともに、20年度は新型コロナウイルスの影響を見極めながらクラウドサービスやセキュリティを強化していきたい。

 19年度はウインドウズ10への更新需要や大型案件の獲得などもあり、20年度目標の売上げ5000億円、営業利益率10%を前倒しで達成できた。一方でプロジェクト管理(PM)や海外事業などで課題も見てきている。新型コロナにより市場環境は大きく変わってしまったことから、課題に対応しながら売上げ5000億円以上を目指したいと考えている。

 長年、日立グループのIT保守サービスを手がけてきたが、現在はメーカーや製品カテゴリを問わずサポートするマルチベンダー保守に取り組み、ITだけでなく、太陽光発電や医療機器、地下鉄の電気設備など幅広く行う手がける。数年来取り組んできた現場のデジタライゼーションは、これから重要になるエネルギーをはじめ、社会インフラの領域にも広げていきたい。

 後半戦はコロナ禍での市場環境を見極めながら、必要とされるソリューション展開をする。特にパブリッククラウドの活用支援に着目し独自クラウドサービス「ゲートウェイ・フォー・ビジネスクラウド」を軸に、事業横断的にクラウド化を進めたい。テレワークで重視されているセキュリティは、カナダと国内のセキュリティのグループ会社を軸に支援するほか、伊藤忠テクノソリューションズとも協業し展開していく。

 同時にPMを再度徹底させる。今までの取り組みに加え今後は目利き力を高めるとともにチェック体制を見直し赤字プロジェクトの撲滅に努める。

 M&A(合併・買収)を中心に進めてきた海外事業は海外グループ企業の方向性を見出し、シナジーを出せるようにする。日立のグローバル戦略とともに役割を明確化し成長につなげていきたい。