2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】内田洋行 大久保昇社長

シナジーとダイナミズムを生む

 20年は創業110周年の節目の年となり、18年7月からスタートした中期経営計画の2年度目は売上げ1950億円、営業利益65億円、経常利益70億円の公表数値を達成できそうで、30年ぶりに過去最高業績を更新する見通しだ。現中計はウインドウズ10など情報インフラ更新需要、教育ICTの拡大需要、首都圏オフィス需要の獲得を目指して取り組んできた。中計2年度目は注力分野の需要を確実に取り込み成長ができた。

 20年は新型コロナウイルスの拡大で市場環境が一変したものの、足元をみると影響は限定的だ。在宅勤務の拡大により働き方が見直されているが、長年提唱してきた「働き方変革」が現実味を帯びてきたと思っている。これまで提唱してきた、従業員自らが働く場所や時間を選ぶ「アクティブ・コモンズ」もニューノーマル(新しい日常)で必要だ。在宅勤務でオフィス不要論が出る半面、多くの企業が既存のオフィスを見直すきっかけになり、フリーアドレス化やペーパーレス化、オフィスの見える化への要望は高まっている。

 会議の在り方を見直す動きも活発でクラウド型会議室運用管理システム「スマートルームズ」は累計1万1000室を超えた。コロナ禍で会議室の最適化を求める声が増え、引き合いは好調だ。打ち合わせスペースも含め利用状況を監視できる「ルームセンス」を組み合わせた提案を進めている。

 教育ICTは20年の教科書改訂に合わせ教育用コンテンツ配信の最新版を展開するほか、GIGAスクール構想へ対応する。長年教育分野に取り組んできた責任があるため、ICT導入後に利活用ができる支援まで行っていく考えだ。ICT部門も製品企画をはじめとした組織を集約した。中堅中小企業向けシステムなど主要な業務システムのクラウド化を終えているため、企業の要望に柔軟に対応していく。

 コロナの影響により市場環境に不透明さはあるものの、体制を整えてきているため組織間のシナジー(相乗効果)に加えダイナミズム(力強い動き)が生まれるようにしていきたい。