2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】富士通コミュニケーションサービス 山本享史社長
CX実現できるサービス体系化
コンタクトセンターの高付加価値化を追求し、数年来カスタマエクスペリエンス(顧客体験価値=CX)を高める施策を打ってきた。新型コロナウイルスで市場環境が変わる中、20年度はCXを実践できるサービス化と人材育成に取り組む。コロナ時代に対応した事業基盤の確立も目指す。
市場環境はコロナの影響で不透明感があるもののセンター高付加価値化への要望は根強いため、CXへの取り組みをもう一段加速させる。企業にとっては顧客から商品やメーカーへのロイヤルティ(忠誠心)を高めることが重要だと言われている。当社はこれまでロイヤルティが生まれるまでの流れを総合的に見るCXを推進。ロイヤルカスタマを増やす独自指標「HC-X(ヒューマン・コンタクト・エクスペリエンス)」を考案しCXの強化を支援してきた。
ただCXが分かりにくいという声もあったため日本にCXの概念を持ち込み提案するラーニングイット社と協業し最新のCXの概念「CX3.0」とHC-Xを組み合わせたサービスメニューを開発中だ。12月にはCXを実現するサービスを体系化し発売する。
センター運用が高度化する中では人財育成にも本格化に取り組む。昨年設立した新組織「CSLユニバーシティ」を核に育成するとともに、富士通で取り組むジョブ型人事制度も採用していく。
同時にコロナの時代に合わせた働き方と社内基盤の見直しを進める。今年2月に全国13カ所目となる新センター「横浜みなとみらいソリューションセンター・アネックス」の運用を始めた。現在新センターを併用し3密を防いだセンター運用を進めているが、今後は新たなセンター運用に取り組んでいく。
社内のセンター基盤を刷新すると同時に在宅コンタクトセンター化やサテライトセンターの運用を取り入れる計画。10月ごろから複数企業のサポートを同時に請け負うシェアードサービスを行うセンターで在宅の運用を始める。市場の見通しは難しい状況だが、変化に柔軟に対応した施策を打つことで多様化する顧客の要望に応えていく。