2020.09.03 【コネクタ技術特集】コネクタ技術、一層高度化
PCIe Gen5高速対応ケーブルレセプタクル/ケーブルアセンブリ(タイコエレクトロニクスジャパン)
電子機器・装置の小型・高機能・高性能化に伴い、コネクタ技術の高度化が進んでいる。モバイル機器向けでは、5Gスマートフォンに照準を合わせた小型高性能コネクタの開発が活発。ウエアラブル端末専用コネクタ開発も進展している。車載用は、自動運転車やコネクテッドカー、xEVなどのCASE領域向けの技術開発が加速している。産機用は、高速大容量伝送や大電流/高耐圧対応製品の開発が進む。4K/8K画像伝送機器や医療機器向けの開発にも力が注がれる。
モバイル機器向けコネクタ
スマホやウエアラブル機器などの高機能モバイル端末は、機器内部の高密度化が進展し、内部接続用コネクタには一層の狭ピッチ・薄型・省スペース化が要求されている。
スマホ内部で多用される基板対基板コネクタは、0.4ミリピッチ品に加え、0.35ミリピッチの超ファインピッチ品の拡充も進んでいる。さらに、より狭ピッチを追求した0.3ミリピッチ基板対基板コネクタの開発も進み、一部の高級スマホで実用化されつつある。ウエアラブル機器向けでは、0.4ミリ/0.35ミリピッチ基板対基板コネクタの小極タイプなどの専用コネクタ開発も重視される。
最近は、今後の普及が見込まれる5Gスマホ向けに、優れた高周波特性かつ小型化を実現したアンテナ接続用コネクタなどの開発も進んでいる。
インターフェイス用は、USBタイプC対応コネクタの製品バラエティ拡充の動きが活発。急速充電ニーズに対応するUSB PD対応品開発も活発化。
車載電装用コネクタ
車載用コネクタは、ADAS/自動運転技術の高度化により、車載カメラ用やミリ波レーダー/LiDAR用などの安全系コネクタの需要が広がっている。車載カメラモジュール用は、従来のパーキングアシスト用カメラに加え、デジタルセンシングカメラに照準を合わせた技術開発が活発。1メガピクセル/2メガピクセルなどの高画素カメラで撮影した画像データを瞬時に確実に伝送できる製品の開発に注力。車載イーサネットコネクタなどの開発も活発化している。EV/PHV用では、車載インバータや車載モーター、バッテリまわりに使用される大電流/高耐圧対応製品の開発が活発。
産業機器向けコネクタ
産業機器/製造装置や産業用ロボットなどでは、付加価値の高い産機系コネクタが多用される。各社は、これらに照準を合わせ、小型・軽量かつ高品質・高信頼性の産業用防水コネクタや高速コネクションの開発に力を注いでいる。
電源用コネクタでは、200A/250A対応などの大電流対応の開発が活発。電気設備工事などでの熟練工不足などに対処するため、現場作業性を改善したコネクタの提案にも力が注がれる。
産機向けのFPC/FFCコネクタでは、生産性向上ニーズに対応し、フリップロックタイプやワンアクションタイプの開発や製品ラインアップ拡充が進展。挿入力を低く抑え、抜去力を強く保てるワンアクションタイプFPC/FFCコネクタの開発などが追求されている。
テレコム/データコム用コネクタ
テレコム/データコム分野向けでは、5G通信インフラや次世代ストレージ向けに、112Gbpsや56Gbps、28Gbpsなどの超高速伝送に対応したハイスピード対応コネクタや高速バックプレーンシステム、高速光コネクションなどの開発が活発化している。
このほか、4K/8K放送機器向けの12G-SDI対応同軸コネクタや8K用光コネクションなどの提案が行われている。