2020.09.09 リコーが欧州で事業拡大オフィスサービス事業体制強化

 リコーは、国内で成功しているソリューションパッケージ商品などを中心としたオフィスサービス事業を欧州で拡大する。

 同社は「OAメーカーからデジタルサービスの会社へ」の転換を目指しており、欧州でも体制強化によって急速にオフィスサービスを立ち上げた。

 アフターコロナを見据え、多様な働き方に対応したサービスパッケージの展開など、オフィスサービス戦略を加速させる。

 国内販売を担当するリコージャパンが6月に販売を開始した、ニューノーマル(新しい日常)にフォーカスしたソリューション商品群「リコー デジタル プロセシング サービス」(RDPS)が好調だ。

 かねて好評のソリューションパッケージ商品「スクラムパッケージ」「スクラムアセット」をベースに、リモート機能や自動化機能などを強化し、リモートワークに対応するパッケージとして新たに投入したもの。現在、販売が大きく伸びている。

 リコージャパンでは、これら商品戦略とともにITサービスなどを強化。19年度の売上げは祖業のオフィスプリンティングをオフィスサービスが上回った。

20年は売上げ15%増へ

 リコーは欧州でもオフィスサービスを早くから立ち上げ、売上げを伸ばしてきたが、この1、2年伸びが加速。欧州のアプリケーションサービス/コミュニケーションサービスとITサービスを合わせたオフィスサービスの売上げは、16年の703億円から19年には971億円へと急成長した。

 20年は前年比15%増の1106億円を見込む。

 背景にはオフィスサービス事業体制の強化がある。「特にITサービスとアプリケーションサービス領域でリソース獲得を進めたこと、また、獲得したリソースを欧州全体に拡大する戦略」(リコー)が功を奏した。

 17年に、ポーランドにシェアードサービスを提供するネットワーク オペレーション センターを設置し、欧州の顧客へのサポート体制などを充実させたことも寄与する。

 新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、いち早く多様な働き方に対応したサービスパッケージ「Work Together Anywhere」を立ち上げた。

 現在はリモートワークのデバイスパッケージや会議用パッケージなどの商品を用意、手軽に導入できる商品として高い評価を得ている。

 これらパッケージ商品の大半は、ネットワーク オペレーション センターを活用する。4月の発売以来、受注も予想を上回って伸長している。

国内が成功モデル

 一連の戦略は、国内が成功モデルとなっている。アフターコロナを見据え、欧州でもリモートワークなどニューノーマル対応戦略を強化する。