2020.09.18 【ASEAN特集】カトーレック電子機器生産受託サービス事業に注力

カトーレックのベトナム工場

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加藤 社長加藤 社長

 カトーレックはEMS(電子機器生産受託サービス)事業を拡大している。

 同社の2本柱がEMSとロジスティック事業で、EMS事業が売上げの70%を占める。

 EMS事業は、国内(高松・本社工場、松山)、中国(蘇州、広州)、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、メキシコ(ティファナ、グアナファト)、インドに生産拠点を構えている。基板実装を中心に家電、AV、車載、情報・通信、住設機器、産業機器、医療機器、航空・宇宙機器まで幅広い製品を受託。日系が多いが、中国のほか現地企業の受託も増えつつある。

 加藤英輔社長は、EMS事業について「製品のライフサイクルが短くなり、一方では市場ニーズも多様化している。そのためメーカーでは多品種少量生産が不可欠になっており、生産を急速に立ち上げ、一気に販売する傾向が強い。メーカーは生産をEMSに委託することによって、マーケティングや販促活動を強化できる。EMS事業の役割は大きい」と述べた。

 同社のEMS事業は、多品種少量生産に対応するフレキシブルな生産体制を整え、世界各国いずれの工場で生産しても同一品質、同一サービスを提供できるグローバルプラットフォームとしての位置付けだ。

 生産増強を推し進め、ベトナム工場第2棟とインドネシア工場第4棟が6月に竣工、稼働した。

 加藤社長は「受託先の拡大に伴って工場が手狭になり、また、今後の受託増に備えるために工場を増築した。フィリピン工場も第3棟を建設中で、11月には完成する予定だ」と説明する。

 ベトナム工場は05年から稼働している同社最大規模の工場。第2棟の完成で、第1棟と合わせた延べ床面積は約3万6000平方メートルに広がった。

 インドネシア工場は93年に同社グループ初のEMS海外拠点として稼働し、基板実装から完成品組み立てまで幅広く対応している。第4棟の完成により、延べ床面積は合わせて約2万2000平方メートルに拡張した。