2020.12.02 家庭向け電力小売りで森林保全支援シナネンが参入、再エネ実質100%を供給

森林保全プロジェクトなどを応援することになった人気キャラクタのシナモロール(中央)

人気キャラクターと並ぶ安田社長(左)。シナネンの新キャラクタになったカワウソのポポネンを持つ人気キャラクターと並ぶ安田社長(左)。シナネンの新キャラクタになったカワウソのポポネンを持つ

 企業向けにエネルギーソリューションを提供するシナネン(東京都港区)は2日、家庭向けの電力小売り事業に参入すると発表した。実質再生可能エネルギー100%の電気を供給し、21年3月から「シナネンあかりの森でんき」のブランドで販売を始める。電気料金の一部が森林保全活動の資金に充てられる仕組みだ。

 同社は、電力小売り自由化に伴い、14年に新電力として、法人向けの電力販売を開始。20年9月からは「環境配慮型プラン」の販売も始め、再エネ中心の電気を供給している。国内に所有するメガソーラー6カ所などからも供給している。

 気候変動対策といった社会貢献活動として11月には、森林保全などの取り組みを支援する「あかりの森でんきプロジェクト」を立ち上げている。既に環境配慮型の電力販売をしている企業から賛同を得た上で、毎月の電力使用量の1kWh当たり0.01円分を上乗せして支払ってもらう。同額分を同社側も負担した合計額が、プロジェクトの資金に充てられる。家庭向けプランでは、同0.1円を上乗せし、同社も同額負担する。

 会見した安田貴志社長は「約100年にわたってエネルギーを取り扱い続けてきたが、その社会的責任として、あかりの森プロジェクトを企画し、これからの時代にあったエネルギーを、これからの100年間、皆さまにお届けするため、当社もやり方を変えていく」と意義を語った。

 プロジェクトでは、ホタルの生息地である群馬県の八ッ場ダム周辺や、栃木県の旧足尾銅山周辺で森林保護や山の復元に取り組む組織など3団体を資金面などで支援する。将来的には支援団体を増やしていくという。

 プロジェクトでは、キャラクタ事業などを手掛けるサンリオ(東京都品川区)とも協力する。会見には、人気キャラクタ、シナモロールが「応援隊長」として登場。シナネンのクリーンエネルギーの普及に一役買ってPRしていくという。さらに、シナネンのイメージキャラクタ、ポポネンもお披露目され、会見会場をにぎわせた。