2020.12.03 富士通が役員5人の月額報酬減額東証のシステム障害で
富士通は3日、東京証券取引所に納入した株式売買システムで障害が発生した問題を受けて、時田隆仁社長ら関係役員5人の月額報酬を減額すると発表した。障害の責任を明確化するため、12月分から4カ月間にわたり最大50%カットする。
関係役員の処分は、同日の臨時取締役会で決めた。減額の割合は時田社長が50%。古田英範副社長は30%。ほか3人は10-20%とした。
同社は「多くの皆さま方に多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを、あらためておわび申し上げます」とコメントを発表。東証と連携して再発防止策の徹底に努めるほか、システムの再点検や品質保証体制の強化に取り組む方針も示した。
日本取引所グループ(JPX)の東証で障害を起こしたシステムは、富士通が開発した「アローヘッド」。10月にシステム障害が発生し、全銘柄の株式売買が終日停止した。
事態の引き金となったのは銘柄情報などを格納する「共有ディスク装置」で、その1号機でメモリー故障が発生。予備機に自動的に切り替わらなかった。自動切り替えに関する設定の不備が原因で、富士通が作成したマニュアルの記載に誤りがあった。JPXの独立社外取締役による調査委員会が11月末に公表した報告書によると、障害発生の技術的原因に関して「富士通の責任が大きい」と指摘していた。