2020.12.09 【中・四国特集】コスモス・ベリーズ新体制〝船出〟 英知結集で「第2コスモス」構築  牧野達社長に抱負・展望を聞く

「第2コスモス」を築いていきたいと意欲を見せる牧野社長

 コスモス・ベリーズは4月1日に、創業者・三浦一光相談役から牧野達社長の新体制に移行し、「第2コスモス」として船出した。9月に創業15周年を迎え、節目の年に〝三浦イズム〟を承継し、新たなスタートを切った牧野社長に、同社の現状と今後のビジョンを聞いた。

 今後、10-15年はこれまでの体制を踏襲する。三浦相談役がけん引してきた成長期と私がバトンを受けた後では、創業者と同じことはできない。トップとしての方向性は明確にしつつ、各部門ごとの責任者を育成して英知を結集して新しい「第2コスモス」を築いていきたい。

 具体的な戦略は、それぞれの責任者が自ら理解し、考え、立てて履行していく。トップとしての役割と部門責任者との役割を明確にしていく。今後、若手を役員にして私の後任を育成したい。5年、10年先を見据えた人材育成を兼ねていく。

巣ごもり需要獲得

 4月に新体制がスタートしたが、世の中は新型コロナウイルスに多大な影響を受けた。その中で家電業界は恵まれていて量販店、地域店ともに実績が好調だ。巣ごもりで家にいる時間が長いことから家電製品の買い替えが進み、安定して家電需要が伸びた。

 売上げが好調なことだけではなく、チェーンへの加盟が進んでいる。本業が不振になると他分野で稼がなければならず、家電にビジネスチャンスを見いだしている。売上げと加盟店の加入については極めて順調に推移している。これまではトップの命令で動く〝文化〟だったが、現在はまだ不十分だが、自分で考え行動する自主的なスタイルに変化してきた。第2コスモスの土台が少しずつでき始めている。

 ネットワークの現状(10月31日現在)は、加盟店が4009店。10月末で4000店を達成できた。加盟店が有する総店舗数は1万1739店。業種は83業種となった。8月に放送された「カンブリア宮殿」(テレビ東京)が加盟店増に貢献している。放送後、加盟に対する問い合わせが1011社からあった(11月24日現在)。問い合わせの業種は115業種を数えた。このうち申し込みしたいという意思表示が186社。うち158社は既に契約につながった。

 一般からの問い合わせも89件あった。これはどういうことかというと「放送で紹介された地域に密着した店をぜひ紹介してほしい」というもの。高齢化の時代に家電の相談に乗ってほしいというニーズが非常に高いことを再認識した。当社のホームページにフランチャイズ店が掲載されているが、フランチャイズ店にも問い合わせが増えた。

加盟店が情報交流

 コロナ禍の中で加盟店への対応としては、コスモス倶楽部という地域の加盟店が情報交流する定期的な集まりがあり、現在、57倶楽部が活動している。これまでは本部の担当者が各地へ出張していたが効率が悪かった。コロナ禍でリモートで対応するようになった。これによって、本部から情報発信できるようになり、専任の担当者が対応できるようになった。加盟店も出先や店頭から、さらには休みでも家から参加できるようになった。双方向でリアルに情報を共有できるようになった。今後はこれを進化させて異業種の懇談も実施していきたい。活用事例の発表など、可能性は広がっていく。

 Webの活用が進んでおり、4月から新規加入の説明会を始めている。

 加盟店の現状だが、売上げは順調だ。10月31日現在の売上げは計画比116.6%、前年比120.6%。好調の要因は通常の家電商品も大型化するなど単価増につながっている。あらゆる家電商品にプラスになっている。外食が減り、家で料理することが高機能のオーブンレンジを買うことにつながる。ニッチな商品にもスポットが当たり、例えばたこ焼き機などが売れている。理美容関連でも電気バリカンを買って自分でカットする人も出てきた。

 これらのニーズに商品供給できるのは、圧倒的な品ぞろえのヤマダデンキと共生しているから。加盟店は店の規模が小さくてもあらゆる商品を扱える。

 下期以降も好調に推移するだろうが、春以降は厳しくなる可能性がある。需要を先食いしている面もあるからだ。

受発注システム改革

 課題の人材育成はまだ不十分なので、幹部を含め強化しないといけない。もう一点は開発に時間やエネルギーを取られていることから、ややシステム開発に遅れがある。BFC NeT(受発注システム)の改革が必要。より商品を検索しやすくしたい。もっとリアルにスピーディに使えるようにしたい。来期は、例えば異業種の成功事例が学べるなど、もっと魅力のある端末にしたい。

 BFCネットの第2次改革として、これまでの受発注端末から経営にも役立つ端末へと進化させたい。

 ヤマダデンキが10月1日にヤマダホールディングスの新体制になり、家電はヤマダデンキから、ハウジング、新築、インテリア、家具、雑貨、保険、金融、不動産など家1軒ワンストップできるように改革が進んでいる。まだ加盟店の取り扱いは進んでいないが、加盟店が扱う仕組みをつくっていきたい。ヤマダホールディングスが扱う商品を加盟店にマッチングさせるのがコスモス・ベリーズだと思う。

 中期計画は、来年から3年間の計画を策定中。テーマは「第2コスモス・ベリーズへチェンジ」。来期から中期にかけて共通テーマは二つある。一つは「地域店と量販店(ヤマダデンキ)が共生するビジネスモデル」。これを極めること。二つ目は「加盟店の商売に役立つこと」。地域的にはローカルの方が困り事の解決などのニーズは高い。