2021.01.06 ヤマダホームズで「Z空調」販売開始ヒノキヤグループの全館空調システム、低コストに強み
Z空調の仕組み(ヒノキヤグループHPより)
ヤマダホールディングスは、昨年10月に子会社化した住宅メーカー・ヒノキヤグループが開発した全館空調システム「Z空調」を、住宅子会社ヤマダホームズ(群馬県高崎市)で今月から販売を開始した。
同社は昨年9月、ヒノキヤグループを買収すると発表。新築住宅やリフォーム、家具、不動産など住空間全体の提案力を高める一環として、買収により相互資産の有効活用を目指していた。
ヒノキヤグループは、Z空調を16年12月に発売し、17年には特許を取得。子会社の日本アクア(東京都港区)が提供する断熱材で住宅の断熱・気密を高め、空調をダイキン工業、換気を協立エアテックが担うことで実現した全館空調システムになる。
従来の全館空調は、約100平方メートルの2階建て住宅に導入した場合で300万円程度の導入コストが必要だったが、Z空調はほぼ半額の150万円前後で導入できるコストメリットが強みの一つ。また電気代も、一般的な全館空調を使用する家庭では月3万-5万円かかるが、Z空調のみだと夏場(7-9月)で月平均3348円、冬場(12-2月)で同9319円と大幅に安く済む。壁掛けルームエアコンと同等の電気代を実現しているのも特徴だ。
16年12月に発売を開始してから昨年11月までにヒノキヤグループ全体で1万3000棟超を受注。営業ツールや販売ノウハウなどを確立し、18年からは工務店でも取り扱えるようにした。現在では全国(北海道、沖縄除く)の280社を超える工務店にも販路を拡大している。
ヒノキヤグループ広報課によると、新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅時間が増えていることから、快適な住空間を実現するZ空調に対する問い合わせが増えているという。新築着工件数の前年割れが続く中、Z空調の販売棟数は、20年(1-12月)は前年比110%で推移する見込み。ヒノキヤグループの住宅販売金額も1-11月累計で前年108%と好調だ。
ヒノキヤグループ広報課は「新型コロナで家にいる時間が増え、快適な環境を求める声と電気代を気にする声が増えている。Z空調はそれらを解決するとともに、換気システムを備えていることもコロナ禍のニーズに応えている」と話した。