2021.01.28 三光電業が広島で新春プライベートフェア新型コロナ対策万全、14社が新製品・新技術披露

広島市で3日間開催された「新春プライベートフェア」の様子

ロボットのデモンストレーションカーロボットのデモンストレーションカー

万全なコロナ予防対策万全なコロナ予防対策

ユニバーサルロボットの協働ロボットユニバーサルロボットの協働ロボット

 【広島】制御と電子の総合商社・三光電業(広島市西区)は、今年も「新春プライベートフェア」を19日から3日間開催した。広島市では一時、新型コロナウイルス感染者が急増して開催か中止かを検討したが、万全の対策を取って実施した。広島での開催は13回目。例年は福岡と広島の2会場で開いているが今年は広島のみとした。その代わり、会期を2日間から3日間に拡大。主要取り扱いメーカー14社が出展し、話題の協働ロボットをはじめ、新製品・新技術を披露した。

 森脇喜美代社長は「開催1週間前まで開催するかどうか迷ったが、万全の体制を取り開催することにした」と胸中を語る。来場者が大きく減ることも視野に入れ、急きょ取引先4000人を対象としたライブ配信の実施を決め、毎日午前10時-午後2時に行った。

 会場では出展社ごとにブースが設けられ、屋内にとどまらず、屋外にも展開。屋外では日東工業と三菱電機がデモンストレーション用トラックを三光電業本社前に駐車し、デモカー自体を展示ブースとした。

 日東工業は「BOX for PRIVATE」を出展。「いつでも、どこでも利用できる、プライベート空間」をキャッチフレーズに前年の製品からバージョンアップし、一層おしゃれなデザインになった。周りに気兼ねせずに電話したいときや集中して作業したいときなど、オフィス空間でニーズがありそうだ。

 屋外に展示した一戸建て住宅向け宅配BOX「TOLULU(トルル)」は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い需要が高まっているという。広島営業所の河村駿氏は「捺印(なついん)機能付きで、捺印して扉を閉めると自動で施錠できる」とトルルの特徴を説明。電気火災から貴重な文化財を守る「放電検出ユニット」は電気火災の未然防止に貢献する。

 コーセルは、ユニット電源PCAシリーズなどを出品。広島営業所の竹田励所長は「医用電気機器規格に適合しており、時流にあった商品だ」と話す。

 富士電機は、ウエアラブル型遠隔作業支援パッケージ「FWOSP-Glass」をアピール。「本部と遠隔地の作業現場をリアルタイムでつなぎ、作業効率を上げる。コスト低減にもつながる」と中国支社営業部渡辺邦晃部長。プログラマブル表示器「MONITOUCH」も好評だった。

 光洋電子工業はACサーボシステム、電源、ポン付BOXなどを展示。「ACサーボシステムを初出展した」(FA営業部小宮康弘課長)。冨士端子工業はフェール端子関連で自動圧着機各種を紹介した。営業部の神垣敦行主任は「MC40-1は大量に圧着する場合の省人化に貢献する」と強調。自動圧着機、手動圧着機の展示実演も行った。

 東洋技研は端子台リレーターミナルなどを訴求。新製品の短穴アルミレールと手動式アルミレール用カッターの「レール・レールカッター切替キャンペーン」(3月31日まで)を展開中だ。

 パナソニックは「アナログカメラユニット」「HDアナログディスクレコーダー」を組み合わせた屋内ボックス&ドーム型カメラを提案。「カメラ関連商品のニーズが高まっているが、競争も激しい分野。会場内では画面を多分割して実演した」(産業デバイスソリューション営業総括部中四国営業課尾西晋吾主任)。昨年に続き出品したアシストスーツは、従来品よりパワーアップ。航空会社などでも活用されているという。

 IDEC広島営業所の宮田祐輔リーダーは「ユーザーに求められるトレーサビリティに、豊富なラインアップで対応する。RFIDタグなども活用している」と語った。

 三光電業がロボット関連で代理店契約を結ぶユニバーサルロボットは、協働ロボットを展示実演。三菱電機のデモンストレーションカーではインバータ・ロボットなど最新機種のデモが行われ、来場者の関心を集めた。北川工業はEMC設計、ソフトサービスなどを紹介した。

 ヘラマンタイトンは結束工具、結束システムなどを実演で見せた。SMCはロボット先端ツール、省エネ関連機器なども数多く参考出品した。興和化成は配線ダクトシェアナンバーワンメーカーらしく、配線ダクトのラインアップを披露。山洋電気は冷却ファン、太陽光無停電電源装置サーボシステムステッピングシステムを提案した。

 新型コロナ対策として▽マスクの着用、手洗いの徹底、毎日の検温、出入り口での手指の消毒▽受け付けへの飛沫(ひまつ)防止シートおよび来場者同士の距離を確保するための目印の設置▽よく触れる場所の定期的な清掃・消毒▽混雑した場所の入場制限などを実施。これらに加え、来場者、会場スタッフともゴーグル付きのフェイスシールドの着用を急きょ決めた。

 残念だったのは同展示会の名物である「お汁粉、お好み焼き、豚汁」の提供が中止になったこと。毎年、社員が調理に腕を振るい来場者をもてなしていた。同社和太鼓倶楽部の和太鼓演奏も中止された。