2021.02.25 東芝、量子暗号通信事業を分割子会社の東芝デジタルソリューションズが引き継ぐ
東芝は25日、次世代暗号技術「量子暗号通信」の事業を分割すると発表した。同事業の運営は全額出資子会社の東芝デジタルソリューションズ(TDSL)が引き継ぐ。
量子暗号通信事業の受注活動を強化するため、同事業を簡易吸収分割方式で4月に分離する予定。事業運営をICT関連ソリューションの推進体制が整うTDSLに集約する。これに伴い東芝は、研究開発に専念する。
量子暗号通信は、光ファイバ上で暗号鍵を光子(光の粒子)に乗せて伝送する技術。光子が何かに触れると状態が変化する量子力学的な性質を用い、第三者による鍵の盗聴を確実に検知する。このため、高い秘匿性が求められる金融や医療分野などへの応用が期待されている。
東芝は、その成長性に注目。国内では4月に複数拠点を結ぶ量子暗号通信の事業を開始。海外では米国と英国などを手始めに、21年度から順次事業化する方針を示していた。
(電波新聞紙面では3月1日付に掲載します)