2021.03.11 ヤマダHDとアドインテが協業リアル店舗生かし購買行動分析
レンジ脇に置かれたタブレット大のサイネージ
ヤマダホールディングス(HD)が、流通やメーカー向けデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)支援などを行うアドインテ(京都市下京区)と協業し、リアル店舗を生かした来店客の購買行動の分析に乗り出す。全国のヤマダデンキの単体直営全店(約700店。ベスト電器など子会社は除く)にタブレット大のデジタルサイネージを設置。ヤマダアプリと連動し、デジタルチラシだけでなく、メーカーから広告を募り、訴求したい商品のプッシュ通知なども来店客に行う。来店客の購買行動までもカバーすることで、マーケティングデータとして分析・活用し、リアル店舗の存在価値を高める狙いだ。
サイネージは商品の横などに設置するイメージで、関西エリアの店舗で2月から導入を開始し、現在20店舗に導入している。6月末までに合計7000台のサイネージを全店に設置する予定だ。
アドインテと共同で、サイネージ広告媒体「ヤマダデンキ棚前サイネージメディア(仮)」を開発し、メーカーに対し広告枠の販売を開始する。広告枠に応じたPR動画などをサイネージに放映するとともに、クーポンやお買い得情報などをアプリにプッシュ通知し、来店客への訴求力を高める。現状はサイネージを設置しているのみで、アプリとの連動は4月からになる。
アドインテのIoT端末「AIBeacon(エーアイビーコン)」を店内各所に設置することで、アプリと連動させる。「店舗の大きさにもよるが、1フロア10台から20台程度設置することになる」(アドインテ)という。
この仕組みを使うことで、実際の売り場で来店客に商品訴求を行い、購買行動に直結する効果が期待できる。加えて、メーカーがPRしたい商品の認知から購買までの行動を把握できるため、「分析にも生かせる」(ヤマダHD)とする。
これまでアドインテは、需要に応じたターゲティング広告を打つサービスをヤマダに提供してきた。そうした中、1年ほど前から、リアル店舗を生かしたサイネージメディアの構想が検討されてきたという。