2021.03.18 【九州・山口産業特集】アドバンテックテクノロジーズAI・IoTソリューション提供
石田 社長
アドバンテックテクノロジーズ(福岡県直方市、石田隆裕社長)は、産官学連携による実証実験を通じて、社会課題の解決に力を入れている。遠隔管理やデータの可視化など、同社のAI(人工知能)・IoT技術を生かしたソリューションを提供する。
オムロンのグループ会社(オムロン直方)だった同社は、19年2月から台湾の「Advantech」傘下となり、日本向けにAI・IoTソリューションなどを展開している。
20年12月期はコロナ禍で取引先企業の業績が落ち込んだこともあり、売上げは前年比8割強だった。非接触ソリューションの関心が高まり、AIサーモスキャンなどの引き合いが多くなった。
木下誠マネージャーは「オムロン直方時代からの産業用電子機器の製造工場という印象がいまだに強いが、非接触ソリューションの提供で課題解決に貢献する企業として認知度が高まった」と話した。
今後は感染拡大防止の観点から、感染者の行動を追跡可能なソリューションの実現に向け、直方市の地場企業や大学と連携して研究開発を進める。同社は検温システムのほか、防犯カメラに蓄積したデータをディープラーニング(深層学習)できる装置の提供などで貢献する。
同社のAI・IoTソリューションのコンセプトとして掲げている「Edge+」は、データの可視化やクラウド構築によって、企業のモノづくりを支援する。「加速」をキーワードに、作業の効率化による製品完成までの時間短縮や従業員の負担軽減につなげる。
短期間での製品導入も同社の強み。1月に同市の金属加工業者から委託された設備の可視化ソリューションを約1カ月半で導入した事例もある。
木下マネージャーは「できる限り早い実践投入によって、企業や社会に貢献したい」と話した。
Advantechは、2-4月にかけて海外のAI・IoTの活用事例などを紹介する「オンライン・パートナー・カンファレンス」を実施している。コロナ禍による移動の制限に伴いオンラインで開催。4月までの参加人数は4万人の見込み。日本でも1000人は参加するとみている。