2021.03.26 【中国拠点特集】マス商事スピード感と柔軟性で日系顧客のサービス徹底

入山 営業部長

 マス商事は、ヤマハ発動機(ロボティクス事業部)代理店として実装機を中心にSMTに関わる製造装置を幅広く扱う。国内のほか海外展開する日系企業を主対象に中国(蘇州、深圳)はじめ東南アジア、インド、メキシコに営業拠点を構えている。

 中国はマストレーディング(深圳)をヘッドに蘇州分公司を構えている。蘇州分公司は上海、江蘇省を中心とした華東地区や大連、天津など北部地域を担当する。

 蘇州分公司の責任者である入山紘樹営業部長は「中国は徹底してコロナを抑え込んだ結果、経済が回復。電機・電子製造業においても、昨年秋頃から活況を取り戻した。車、5G、社会インフラなど様々な分野の製造業が好調で、コロナ前に戻っている。当社も車載、民生、EMSなどの日系企業が好調なことから実装機はじめSMT関連設備の受注が順調に伸びている。日常のビジネスも直接顧客を訪問しての商談など、コロナ前に戻っている」と話す。

 米中貿易摩擦の影響について、入山営業部長は「米中貿易摩擦による日系企業の東南アジアなどへの生産シフトは2、3年前に落ち着いた。今の活況は内需が中心で貿易摩擦の影響はほとんど受けていないように思う。むしろ一気に忙しくなってきたことから、半導体や電子部品不足が生じ、生産活動に影響が出ている日系企業もある」と指摘。

 「プロダクトロニカチャイナ2021」が17日から3日間、上海新国際見本市会場で開催され、同社はヤマハ発動機を通じて参加した。さらに4月21日から3日間、上海世博展覧館で開催される表面実装技術・製造装置の専門展示会「ネプコンチャイナ2021」にもヤマハ発動機ブースで参加する。

 入山紘樹営業部長は「製造業では若い人たちの労働力不足に加えて人件費の高騰もあり自動化、省人化ニーズが高まっている。SMTラインも、実装の前工程や後工程も自動化したいという要求が高まっている。設備の立ち上げからメンテナンス、サービスまでスピード感と柔軟性をもって日系顧客のサービスを徹底し、パートナーシップをさらに強くしていきたい」と取り組んでいる。

 顧客の要望に応えるためレーザーマーカやリフロー、塗布機、搬送機など中国製設備の扱いも始めている。