2021.03.26 【中国拠点特集】イリソ電子工業南通意力速電子工業有限公司
井川 総経理
自動化・省人化のモデル工場に
イリソ電子工業は、上海工場に次ぐ中国第2工場として開設した南通工場(江蘇省南通市)での生産を本格化させている。「スマートファクトリー」をコンセプトに、高度に自動化・省人化された付加価値の高い生産を実現。グループの今後のグローバル展開のモデル工場として一層の充実化を図っていく。
南通工場「南通意力速電子工業有限公司」は18年2月に操業を開始した。敷地面積3万7963平方メートル、延べ床面積2万6327平方メートル。従業員数約270人。プレス、成形、めっき、組み立てのコネクタ一貫生産体制を構築し、組み立てはオールクリーンルーム。
車載用のFPCコネクタやフローティングBtoBコネクタ、アミューズメント機器用コネクタなどを生産し、プレスやめっきなどの内製部品はグループ他工場にも供給する。IATF16040認証を取得済みだ。
井川博文総経理は「今後のイリソにつながる工場づくりを行うことが当工場の役割。そのために様々な投資を実施している。『設備を止めない』『作業者をつけなくてもできる』という方向性で今後も生産性を高めていく」と説明する。
同工場はAGVで搬送無人化を追求。上海から移管した部品加工部門は、同じ人員数で生産数量を1.2倍以上に増やした。組み立ては全て全自動。プレス工程では、自動巻き取り機導入に加え、画像検査機を連動させて全量検査を実施している。めっきライン用自動巻き取り機は現地の設備メーカーとの共同開発設備を導入した。
20年度のコネクタ販売金額は前年比約2倍、数量は約3倍を見込む。「顧客の承認作業がおおむね完了し、大きく伸ばすことができた」(井川総経理)。
今後の施策について井川総経理は「『上海工場の半分の人員で同じ生産量を達成する』をコンセプトに合理化投資を進める。ローカル機械メーカーと協力し、現地で付帯設備を製作して投資を抑制する。これまで移管業務中心だったが、21年度から新規開発品が増えるため、しっかり立ち上げていく」と話す。