2021.03.26 【中国拠点特集】スミダコーポレーションスミダコーポレーション番禺工場

番禺工場の外観

桑原 EVP桑原 EVP

確立した生産技術を各工場へ展開

 スミダコーポレーションは、中国では番禺工場(広州市)を中核に7工場を展開。継続的な設備投資の実行、設計から量産までのさらなるスピードアップ、徹底した生産性向上により付加価値の高い生産活動を展開する。

 マザー工場の番禺工場は、プレス・成型金型の設計・製作や、製品設計、生産技術開発などの機能を備え、同工場で確立した生産技術の各工場への展開や試作ラインを活用した迅速な新製品立ち上げなどを行う。

 スミダコーポレーションの桑原正幸エグゼクティブ ヴァイスプレジデント(スミダグループ製造統括責任者)は、「市場の動きに合わせ各工場で生産を強化している。特に最近は車載比率が上昇しているため、自動化やセミオートの生産ラインを増やしている」と話す。中国全工場でIATF16949認証取得済み。20年2月には新型コロナの影響を受けたが、感染者を一人も出すことなく正常化した。「特に10月以降は非常に多忙」(桑原EVP)。

 車載ビジネスは、中国系EVや欧州系顧客の中国工場向けなどに注力している。「中国系EVメーカーは開発速度が極めて速く、部品サプライヤにもスピードを求めており、番禺の試作ラインを活用して試作から顧客評価までの期間短縮を図っている。最近はコイルやトランスに加え、オンボードチャージャやバッテリマネジメントモジュールでの供給も増加している。欧州系顧客向けは従来は欧州設計品を生産していたが、今後は設計段階から中国設計チームが参画し、欧州開発チームと連携して中国で入手しやすい部品への切り替えなどを行うことでコストダウンにつなげる」(桑原EVP)。

 5G向けも端末・基地局用を含め活況。今後は太陽光や風力発電向けにも力を注ぐ。中国で設計から量産まで一貫して行える強みを生かしていく。

 今後の展開について、桑原EVPは「EV市場が加速しているため、よりスピードを持って取り組む。そして生産性向上を徹底する」と話す。