2021.04.09 英ファンドの買収提案、当社の要請ではない東芝取締役会議長がコメント

 東芝の取締役会は9日、英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズからの買収提案に関して、永山治議長名のコメントを発表した。永山氏は「初期的かつ法的拘束力のない提案書」と位置付けた上で、提案は東芝側からの要請ではないとの認識を示した。

 永山氏は「CVCは、提案に当たり単独での資金調達を想定しているものではなく、協調投資家とのコンソーシアムの組成や金融機関からの資金調達を前提としている」とした上で、「その検討には相応の時間を要し、複雑性を伴う」との考えも示した。

 各国の競争法や外国人投資家による出資を制限する外為法への適合性も焦点となる中、「(法律上の)クリアランスが得られることや、資金調達が可能となることなど、多くの事項を条件としている」とも指摘した。

 さらに「当社の要請によるものではなく、当社の事業等に関する詳細な検討を経た上で行われているものでもない」とも強調。その上で、「今後、詳細情報を受領した場合には、慎重に検討する」との考えも示した。

 東芝の車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)は元CVC日本法人会長を務めていたため、東芝側と今回の買収提案の関係性にも注目が集まっていた。