2021.05.05 テレビ、ラジオで防災・減災へ連携協定広島、災害に強い地域目指す
連携協定を締結した宮原会長(左)と絹川局長
【広島】広島地区のテレビやラジオで防災に対する取り組みが強化されている。防災セミナーの開催やテレビ、ラジオ番組で防災に関するコーナーを設けるなどの動きがある。
相互に連携し活動
広島県内ケーブルテレビ事業者8社で構成する広島県ケーブルテレビ連絡協議会(会長=宮原勝彦ケーブル・ジョイ代表取締役社長)とNHK広島拠点放送局(絹川智紹局長)は、防災・減災に対する連携協定を結び、相互に連携した活動を行う。
両者は4月28日、「防災・減災における連携協定」をNHK広島拠点放送局で締結した。双方の窓口を設け、①情報交換②映像や情報の共有③災害・ライフライン情報原稿の活用④災害報道の勉強会や訓練の実施--などで協力する。
中国放送(RCC、広島市中区)は、7月24日開催の防災について親子で学び、理解を深める「広島市防災セミナー」(主催=広島市、共催=RCC)を同月31日、RCCラジオで放送する。セミナーでは、防災をテーマにした講演と、楽しく学べる防災プロジェクトや防災グッズを開発するNPO法人「プラス・アーツ」のメンバーを講師に迎え、クイズやゲームを通じて防災意識を育む。
同社は春の編成記者会見で、RCCラジオでは天気や防災をテーマにした番組や、キャンペーンに取り組むと説明した。
開局60年記念事業
広島テレビ放送(広島市東区)は3月30日、開局60年の記念事業として「いま動こう!みんなで防災PROJECT」活動の一環として、熊野町や坂町、海田町と防災パートナーシップ協定を締結した。在広放送局が自治体と防災パートナーシップ協定を締結するのは初めてのこと。
同社は開局60周年記念事業として「いま動こう!みんなで防災PROJECT」を今年1月にスタートさせた。先ごろ開催された「広島テレビ開局60周年記念会見/番組改編説明会」でも、飯田政之専務取締役総合コンテンツ本部本部長が「防災は長期のプロジェクトになる見通し。今求められているSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとも重なる。広島では想定外の災害が近年起き、災害が起きる前の日常の防災に関する報道が重要だと実感している。防災パートナーシップ協定締結の準備を進めている」と話した。
自然災害最小限に
広島県は2014年に「広島土砂災害」、18年に「西日本豪雨」に見舞われており、県内の自治体が防災対策に力を注いでいる。自治体と広島テレビが連携し、災害の被害を軽減するための防災情報の発信、ならびに平常時の防災活動に取り組み、地域住民の安全の確保に役立てることが目的。今後、県内全市町との協定締結を目指していくという。
防災PROJECTは、自然災害の被害を最小限に抑えるため事前に策を講じる「事前防災」、復興後のまちづくりを事前に考える「事前復興」の考え方を発信・実践していくもの。令和時代にふさわしい災害に強い地域づくりを目指すプロジェクトとなる。