2021.05.31 東芝テックが新中期経営計画発表経営効率の改善と効果的な資源投入で収益基盤を強化
東芝テックは28日、2021年度の経営方針説明会をオンラインで開催、新たな中期経営計画(21~23年度)を発表した。錦織弘信社長は「20年度下期は、売上高回復で収益は大幅に改善した。21年度から〝攻め〟に転ずる」と強調した。経営効率の改善および効果的な資源投入により、収益基盤を強化し、23年度は営業利益率(ROS)6.6%、投下資本利益率(ROIC)13%以上を計画する。
錦織社長は20年度の振り返りの中で、下期の業績の大幅改善を挙げた。下期は売上高2140億円、営業利益92億円となり、上期の9億円の営業損失から年度ベースで黒字に転換、ROSも4.3%に改善した。また、20年度は約1100人の人員削減など構造改革にも踏み切り、固定費削減効果が21年度以降に期待される。
新中計では、23年度に売上高を4400億円(21年度見通し4200億円)、営業利益を290億円(同210億円)、当期純利益を170億円(同100億円)などの数値目標を設定した。
同社は、国内シェアで圧倒的トップのPOSシステムなどのリテールソリューション事業と複合機(MFP)などオフィス機器を中心としたワークプレイスソリューション事業を主体に事業展開している。
錦織社長は「新型コロナウイルスの影響を迅速に乗り越え、成長領域(リテール)と維持領域(ワークプレイス)それぞれに収益性を向上させる」と強調。23年度にはリテールソリューション事業は、新規領域への積極投資で高収益事業を実現、営業利益220億円、ROS8.0%、ワークプレイスソリューションは営業利益70億円、ROS4.1%を計画する。
新中計の基本戦略として、リテール事業でタッチポイントを増やしデータサービスにつながる小売業向けプラットフォーム「ELERA(エレーラ)-Retail」を提供、「流通業界でグローバルトップのソリューションパートナーを目指す」(錦織社長)。
また、ワークプレイス事業ではプリンティングからデータマネージメントへの展開を加速させる。