2021.06.26 パナソニックが米テスラの全株式売却提携関係は維持、EV向け電池供給継続
パナソニックは、保有していた米電気自動車(EV)大手テスラの全株式を3月末までに売却した。売却額は約4000億円。テスラとの提携関係は維持し、同社のEV向け電池の供給を継続する方針だ。
25日公表した2021年3月期の有価証券報告書で明らかにした。パナソニックはテスラに株式売却を通知しており、「パートナーシップに影響を与えるものではなく、引き続き良好な関係を継続している」としている。
パナソニックは2010年、テスラ株の約2%相当分を約24億円で取得し、新興企業である同社の経営を支えてきた。テスラと共同運営する電池工場「ギガファクトリー」に2000億円以上を投じて量産を軌道に乗せたほか、テスラからの要請でEV向け新型電池の開発も進めている。
今回の売却資金については、成長投資資金に充当することを検討しているという。パナソニックは4月、米ソフトウエア大手のブルーヨンダーを約7700億円で取得して完全子会社化すると発表。ソフトで収益を得る経営体質への転換を狙う一方、車載向け電池増産などで資金需要が高まる方向にあり、株価が上昇したテスラ株の売却に踏み切ったとみられる。