2021.07.09 【家電流通総合特集】家電製品協会の認定センター資格制度で人材育成
「家電製品アドバイザー」「家電製品エンジニア」「スマートマスター」全国統一認定試験実施
家電製品協会の認定センター(西崎義信センター長)は、業界の基盤となる人材育成を目指して2001年度に始めた資格制度「家電製品アドバイザー」と「家電製品エンジニア」、16年度に始めたスマートハウスのプロフェッショナル人材育成が目的の「スマートマスター」の企画運営を行っている。
表は家電製品アドバイザーと家電製品エンジニアの試験内容を示す。図はスマートマスターの資格に必要な知識を示している。
資格認定試験は3月と9月に実施。業界ボーダーレス化で、家電業界を取り巻く関連産業からの受験者も増加している。
CBT方式導入し好評
20年3月の試験は新型コロナウイルス感染症防止のため実施直前に中止した。同年9月の認定試験から受験者の安全確保と安定した試験開催の観点で、CBT(Computer Based Testing)方式の試験導入を決め、9月7日から20日までに約1万人が受験した。
従来は全国延べ約50の大型試験会場で実施してきたが、CBT方式はコンピューターを活用。全国280カ所以上ある試験場(テストセンター)を使い、受験者の都合に合わせて受験会場や受験日時を選択できる。
センター内は、受け付けと受験用のパソコン(PC)デスクが配置された受験室に分かれており、受験室は写真のように隔離された環境。室内には平均10人程度の受験者しか入れない。受験指示もPC画面で行われ、試験官による口頭指示や会話は行われない。
今年3月に実施した第40回認定資格試験には約8000人が受験。家電製品アドバイザー、同エンジニア、スマートマスターの3資格に2451人が合格している。
スマートマスター合格者は323人。累計7903人が全国1152カ所の店舗やオフィスで、住まいと暮らしのスマート化を支援している。同資格は家の構造・性能、家電製品、住宅設備、エネルギーマネジメントの知識とICT分野への知見も求められる。西崎センター長は「新生活様式が定着しつつあり、他業種からの注目も高まっている」と期待する。
家電製品アドバイザー/エンジニア資格試験では、プロ中のプロ「エグゼクティブ等級」を133人が獲得。200点満点でアドバイザーは180点以上、エンジニアは170点以上が合格ラインの狭き門で、合格者は認定センターの公式サイトで紹介されている。
9月1日から14日までCBT方式で行われる第41回の資格認定試験の受け付けが、7月20日から8月10日まで家電製品協会認定センターのホームページで実施される。
「ニューノーマル時代を迎え、3資格の価値は高まっており、人材育成手段として資格取得者増に取り組む企業が増加している」と、西崎センター長は受験を呼び掛けている。